社会を斬る!

2010年03月11日

人の上、人の下、人の中

人の上にも
人の下にも
いっぱい人がいる

理想と現実が違うのは
今に始まったことではないけれど

自分が100持ってて誰かが0しかもっていなかったら
もしかして20はあげるかもしれないけれど
半分こにしてあげられる人は
そんなにたくさんいない。

世の中は「不平等」だらけだ。

うちの家にウィルスという22歳になる男の子が
ハウスボーイとして働いている。
彼はうちのオーナーのケニア人が村から連れてきた
オーナー曰く”かわいそうな”男の子で、
早いうちに父を亡くし、
学校を中退を余儀なくされ
数年前にナイロビに彼女と一緒にやってきて
家の仕事を全部する代わりに
住居と食料をもらっている、そういう立場にいる男の子。

彼の一ヶ月のお給料は4000Ksh。
日本円にして6000円に満たない額だ。
家のレントを払う必要はないけれど
この額では本当にナイロビで快適に生きていくのは無理だ。

彼は年頃の男の子がするような
楽しい遊びをたぶん全くしないままで
ここまできてしまったんじゃないかと思う。
4000Kshのほとんどを田舎のお母さんに仕送りして
彼自身はオーナーが渡すとうもろこしの粉をといて
薄いスープのようなものをいつも食べている。
家をきれいにして、ベットメイキングして、犬にごはんをあげて
日曜日に教会にいくほかは
2枚か3枚の服を順ぐりに来て、入り口のゲート近くの
小さな家でじっとしている。

「誕生日はいつ?」ときいたときに返ってきた答えが
「Birth certificateをみてみないとわからない」。
余計なお世話なんだけれど
彼はきっと誕生日を誰かに祝ってもらったことも
なかったのかもしれない、と思ったら
なんだか胸が詰まってしまった。

うちのガードも、ウィルスも、
私たちが一日の出張費でもらえる以下の額で
一ヶ月暮らしている。
「そんなのけしからん、私たちはもっと払う」と
言うべきなのかもしれないけれど
社会のバランスが、この絶対的なアンバランスの上に
成り立っているという事実。
よそのメイドさんのお給料も似たりよったりで
外国人が直接払う場合はもうちょっと多い。
ウィルスのように、家のレントに「含まれて」いる場合
彼らの取り分はかなり少ない。
前に泊まらしてもらっていた外国人のお友達の家の
ガードの一ヶ月のお給料は3000Kshだったし
彼はそれで、自分の家のレントもだしていた。

貧困だの栄養失調だの、社会の格差をなくすために
「人道支援」に従事している私たちが
大きな家に快適に住んでいるのに、
そこで働いている人がとっても薄給だという現実。
ユスフも、タリックも、私も
彼に小さなお願いごとをプラスアルファをしたときに
200Kshとか100Kshとかまめにあげるようにして
一ヶ月でみればたぶん、もらっていいるお給料倍以上に
なっているとは思うし、
ウィルスもがんばるから、私たちの関係はとっても良好だけれど
私たちがこの家を去ってしまったら
また彼はもとの状態に戻ってしまう。

焼け石に水、の状態にちょっとかける水を
増やしてみても状況はかわらない。

「どうするべきか」ということを
家族(?)会議でいろいろ話題にするわけだけれど
私たちの出した結論は

「僕たちのやれることを、僕たちがやれる間にやろう」

100人の人にごはんを上げられないのだったら
1人の人にあげましょう、のマザーテレサではないけれど
目の前にある氷山の一角に目をつぶることなしで、
山全部を動かすことはしないけれど
私たちのいる間に
ウィルスにいろいろ楽しい世界を見せてあげたらいいなと思う。
お金だけのことじゃなくてね。
たいへんな生活は変わらなくても
楽しい記憶は消えないはずだから。

パーティーがあったら一緒に手伝ってもらって
一緒に肉を焼いて、食べてジュースを飲んで、
ホイルに包んだ焼き芋を食べてもらったり、
私が日本食を作ったら、彼の分も作って食べてもらう。
(おいしいかどうかは謎)
ユスフもタリックも新しい服を買ったら彼に古い服を上げたり。
来週、休暇から帰ってきたら、一緒に乗馬に行こうと思っている。

昔、青かったボランティア時代に仲間と夜な夜な繰り返した
「偽善か偽善じゃないか」なんて議論はもうしないのだ。
私たちが今できることを、できる範囲でやって
周りの人がちょっとでも幸せになったら、そして
手助けできる立場にいる人が全てその心意気でやったら
明日はきっとちょっと明るい、そこがスタート地点でいい。

大きな問題を大きなまま解決するには
私たちは無力すぎるから。
大きな問題を粉々に砕いて、
目の前に落ちてきた小さな動く現実に
愛とエネルギーを注ぐのだ。

人の上に立たずに
人の下にいないで
人の真ん中で。



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2010年03月09日

情報化社会に死す

言葉には流行があるから
流行語なるものにいちいち目くじらたてるってのは
全く大人げないんだけれど言わずには居られない。
最近の

”○○すぎる”の乱用、どうにかならないものか。

イケメンすぎるとか美人すぎるとか
すぎるつけてりゃーいいってもんじゃない。
議員だとか書道家だとかアイドルだとか海女さんだとか
スケーターだ浮浪者だー
そりゃありとあらゆるところに美しいものや人はいるだけれど
それを○○すぎるというゴテゴテでチープで死んでいる
枕言葉で飾ってしまう頭の悪さ。
流行語ってのに鮮度を求めるのが間違いなのかもしれないけれど
ニューストップにナントカすぎると見るたびに
ため息がでる。レベルが低すぎる。
美しい日本語はどこに行ったのか。

世界各国にイエロージャーナリズムはあるし
低レベルから高レベルまでいろんな角度でさまざまな
情報を発信するメディアがあっていいんだけれど
YahooとかLivedoorとかMSNとかMIXIとか
そういう大衆メディアが発信するニュースサイトの一面だけ
みていると今の日本は本当に大丈夫か?と思ってしまう。
情報量は多いけど、しょうもない記事が多すぎる。
読まなければいい話なんだけど、
そういうことに一日の多くの時間使って
TwitterだSNSだで消化されていない自分のつぶやきを
知り合い相手に発信して24時間を積み重ねていっても
人間、進化しないよ?
ってか、このままごみ情報に埋もれて
私たち滅びるよ?

Twitter、登録はしたんだけど
実はまだ使いこなせてないワタクシ。
すでに情報収集と発信でアップアップしちゃってる部分があって
しばらくは手を出さないで置こうと思っている。

なんていうか大量に情報を仕入れるのが知性なんじゃなくて、
質のよい情報をピンポイントで
確実に手にいれて、そしてそれを分析して
自分のものにして発信する、
そういう姿勢をもたないと
今の情報社会に、生きてるようで、
実は自分の核を構築しないまま、生の感情を
つぶやきつづけて埋もれて気がついたら死んでいた自分を
危惧するのです。
鮮度が高い意味のあるものを発信する側にいたいし、
発信する言葉にはひねりをもたせたい。
だからTwitterじゃなくてブログでいいんだ。
ってか、140字以内じゃ
私の言いたいこと伝えられないから、とも言える。
しかし、本日のブログはがつっと要約すると
ただの10字でいいらしい。

すぎるすぎる、うるさい。








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2010年02月25日

その頭脳と努力を他のところに使ったらどうなんだ

電脳陰謀社会の今ですから
まぁ毎週のように詐欺メールはくるわけです。
ナイジェリアのNational bankに凍結されている隠し資金があって
それを申請してくれたらナントカMillionダラーを差し上げる、とか
未亡人マリアですが、亡き主人が残してくれている遺産が
あるのだけれど意地悪な親戚に横取りされるくらいだったら
信頼できるあなたにあげたい、とか
主婦の友ネットでは、女性会員が増加中で、
男性が足りてませんので特別ご招待、とか。
だいたいは斜め45度読みして即ゴミ箱なわけですが
ちょっとひっかかりかけたのがきました。

「人の役にたてるのなら!」とか
「男性芸能人って誰!?」みたいな
ハートのソフトスポットをつくなかなか巧妙な手口です。
ナイジェリアの隠し遺産には心が動かなくても(話遠すぎるし)、
これだとひっかかる人いそうですね。
まぁ私、男性芸能人なんて興味ないしなー
水谷豊とジョージクルーニーなら話してみたいけど。←ネタです

とりあえず最初にMIXI経由できたメールをこぴぺ
(ネットに載ってるのと全くおんなじ内容)

******引用開始

なかなか絡めていなくてすみません。。。

実は私、仕事が芸能関係で、
某男性タレントとかのマネージャーやってるんです。

今メッセさせてもらったのはタレント本人の希望で
どうしてもお話したいと‥。

もしよろしければ少しお時間いただけませんか?

本人は最近まではテレビや取材、雑誌の特集などで
忙しく、私から見ても精神的に疲れてるようで・・
 お恥ずかしい話、私では彼をケアできなくて…
ここまで心を閉ざすのは初めてなんです。

急なお願いになりますが、彼を助けてあげてはくれませんか?
実は本人と一緒にマイミクさんのページとかを見ていたら、
何か感じる所があったらしく、メッセをしておいてくれないか、
と言われました。

ニックネームにも何か惹かれるものがあったようです。
私はマネージャーとしてどうにか彼を支えたいと思い、
事務所に内緒で彼の要望に答えてあげようと思ったのですが、
結局は事務所にばれてしまいました。

当然のことですが、本人がネット上で
一般の方に連絡をするようなことは固く禁じられています。
そのため、本人はプライベートでMIXIに登録すらすることが
出来ません。 

milk82@ezweb.ne.jp ←晒してしまうぞ

ここにメールをしてもらってもいいですか?
本人と連絡が取れるように致します。

わたしのこのMIXIは事務所から見られてしまうので、
今送ってるこのメッセの履歴とかを見られる前に退会をしてしまいます。

そうするともうこのMIXIで連絡を取る事が出来なくなってしまうため、
メッセでお返事頂いても私からお返事は返せませんし
本人の名前を記録に残るメッセで送ることも出来ないのです。

(名前をネット上で公表したりしてしまった日には
あっさりクビになっちゃいます><)

もちろん、これは私と本人からの一方的なお願いになりますので、
色々なご事情で彼と連絡を取って頂くことが
ご無理であれば仕方ありません。

このままメッセージを削除して頂ければ
こちらから二度と送ることもありませんし、連絡等一切行いません。

でも、来てくれる事を待っています。彼を助けてください。

 

それでは、私はこれでMIXIを退会致します。

友達にして頂いていたのは本当にうれしかったです。
メールを頂く事がご無理であれば
これでお別れになってしまいますが、
また、お会い出来る機会があれば幸いです。

それでは。

*******引用終わり

というわけで、ね?丁寧な語り口といい
なんか助けてあげないとな?とか思っちゃう人いても
不思議じゃないよね?

というわけで人のよいMioさんは
仕事終わってからノコノコと
メールをしたためる由

******
MIXIのメッセージを読んで(正直に言いますよ~)
1.これは新手の詐欺では?という思いが50%
2.もしかして本当に困っているのかもという思いが50%

でも、別にその男性タレントとやらが
誰でも私は構わないので、
別に彼の名前や所属をいわなくていいですし、
直接メッセージいただければ、
何か伝えられることがあれば
お返事書きます。

ということで、Genuineなものであれば、喜んでお手伝いします。
ではでは
******

そしたら秒速で返事きました。

******引用

連絡くれたんですね!ありがとうございます!
今回は突然のお願いでメールをしてしまってすいませんでした。

色々な事情があり今回のお願いになったのですが、
本人はあなたと連絡を取れることを心待ちにしております。
この後は直接本人とやり取りをして頂きたく思いますので、
本人が登録をしているSNSのURLをお知らせします。
本人のメールアドレスは事務所にて厳重に管理されており、
私が直接教えてしまうと大問題になってしまう為、
SNSで直接本人から聞いて頂きやり取りをして下さい。

この携帯は今回のご連絡を事務所にばれないようにする為に
一時的に使用していますので、今回限りの利用とさせて頂きます。
私自身もこの後このメールで連絡をする事は出来ませんが
ご了承下さいませ。

URLはhttp://yyXXXX-X.com/9952/になります。
(Mio注*変えてます)

業界の人が多く登録しているSNSなので、
一般の方にはなじみが薄いかもしれませんが
何卒よろしくお願い致します。

************引用終わり

あ、怪しすぎる・・・

というわけで
「芸能人 マネージャー 詐欺」で
ぐぐったら←もっとはやくぐぐれよ
出てくる、出てくる・・・

読んでたら、クレジットカード制限ぎりぎりまでだしちゃってたり
○○万円払い込んじゃってる人も。なんていうか
ちょっとずつ課金システムなので雪だるま式に膨れ上がるんだね。
しかしまぁよくわからんサイトでクレジットカードの内容
いれちゃうってのもNaiveすぎると思うんだが。
怖い怖い!

というわけで、みなさんも良心と好奇心につけこんで
お金をむしりとろうとする輩にお気をつけください。
ってか、その詐欺行為に使う
頭脳と努力と時間を他のところに使ったらいいのに、
と長々とブログを書いている私が言う(笑)




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2010年02月19日

批判文化一蹴

外部から今の日本社会を覗いていると
ドロドロした生っぽい自らの不満や不安を
投影だか反射だかしている、どす黒い悪意が透けて見える。
なんでこんなに病んでいる人とか怒りを内包している人が多いんだろう?
意見をいうのはいいんだけれど、愛に欠けている。


批判なり風刺だったりってのはヨーロッパのほうが本場(?)だし
そうやって強く自己主張することによって、弱いものを蹴落として
間違ったものを排除して、生き延びていくのは世知辛い資本主義、
競争原理が広がる今世ではよくあることだけれど、なんていうか、
顔と名前を出して、堂々と批判したり、
物事がプラスに変わるような建設的な提言ではなくて
ネット上で、メディアで、周りの騒ぎに便乗して
炎上する空間に喜び勇んで言論火炎瓶とか文句石を投げちゃう
(自分が批判されることのないよう)
周りの空気にしたがって
ついでに自分の不満を爆発させたい人がたくさんいる。

テレビの評論家だってたいして感心しないけれど
批判をすることで(そしてそれに支持をうけて)ごはんを食べている人には
「それが仕事なのね」で納得できるとして
2ちゃんにしても、読売小町にしても、
MIXIやらブログにしても
私みたいな普通の人たちが、たくさん「なんでそんなに他人のことで
負のエネルギーを巻き散らすかな」と思ってしまう。
炎上が炎上を呼ぶ。

政治家の腐敗とか社会のシステムを悪用する人たちとか
そういうこと・人にはまっとうに怒っていいんだけれど
そうじゃない瑣末なことに、
みんなも怒っているから”僕も私もと
正義の鉄拳をくだすチームに喜んで入りたがる人たち。
むしろまっとうなことには怒らないで、どうでもいい
安全なことだけに
参加している気すらする。

批判される自分を批判されるのがいやだから大勢の中に混じって、
安心してアイデンティティを確立した気分になる。

若気の至りで誘拐されて不幸にして殺されてしまったイラクでの
若者バックパッカーへの批判しかり、ハイチへの千羽鶴騒動しかり、
本来の本人の実力とは違うところで
叩かれすぎてるスノーボードの若造しかり。
ソマリアにいったアグネスチャンを批判する人しかり。

なんていうか、なんでこんなに怒りたくて、文句をいいたくて、
他人を正したくてたまらない人がいっぱいいるんだろう。

自分の子供だったり、同僚や友人で、不便をこうむるのであれば
心からのアドバイスをすべきだけれど
赤の他人の価値観の違いを正すことはできない。
それって、ただのいじめだよ?

やらない偽善より、やる偽善。 私はそれでいいと思う。

偽善であることが悪いのではなくてやっている中で、
本当に役にたつことが見えてきたり、関係している人たちが
成長する機会があることもきっとある。
そしてそのとき直接役にたたなくても受けた感謝と学んだ教訓を
次の機会に生かせばいい、そうやって若者って大人になっていくものでしょう?
大人がにがにがしく「今の若者は・・・」と次の世代をみるのは
まぁ今に始まったことではないけれどなんもしていない若者が、
ちょっと勢いがよすぎてもしかしてちょっと考えが足りなかったかもしれな

同世代をけちょんけちょんに批判して薄汚い言葉を投げているのをみていると
なんだかとっても悲しくなる。

ルール違反とは全く違う、ただの価値観のおしつけ
そして何かがんばってやろうとしている人を嘲笑したり足をひっぱったりする傾向

国際社会でこんなに評価されている日本なのに
私は下方に渦巻く得体のしれないヘドロにひんやりする。

それってメディアがかなり扇動している部分も多いなぁと最近思う。
掲示板で勝手に内輪で盛り上がっている分にはいいんですよ、何をいっても。
究極のところ。それはそういう場所なのだから。若者が集まって路地裏で
話している放課後のひとときに、他人がのこのこ出て行って
「おまえたちは間違っている」っていってもしょうがないのと同じように。

しかし薄ら寒いのはそういうアングラ言論空間で吐き出された
匿名の不満副産物を「世論の総評」みたいな形で
得意気に引用してそして世の中に批判の空気を作ろうとする
3流メディア。
(全てのメディアを一緒くたに批判しているわけではないですよ)

昨日あまりにひどい記事があったんで思わずコメントをしてしまったのだけれど、
ジャーナリストを自称するのであれば情報の信用性に疑問がある
参加型
Wikipidiaを引用したり 2チャンからさもそれが世の中の一般の
考え方であるように書いたりするのておかしいと思わないのかね。


本当に、情報はたくさん手に入るようになったけれど
どうでもいい情報をたくさんいれてもしょうがないということ。
メディアリテラシーをちゃんと磨かないとと思わせる今日この頃。


これがそのお粗末な記事↓
”ソマリアにいかないアグネス。韓国に行って「北朝鮮に行ってきました」というようなもの”
http://news.livedoor.com/article/detail/4608895/

というわけで批判をする人を批判する私も
もしかして同じ穴の狢なのかもですが、
とりあえず私は批判をするのなら群れをなさないで、
一匹むじなであろうかな、と。
なんていうかメディアのあり方一考と傍観者のメモとして書いてみました。

ご清聴ありがとうございましたー。



theatherofdigestion at 23:49|PermalinkComments(8)TrackBack(0)

2009年10月09日

ベストジーニストだったらまだわかる

ノーベル平和賞がオバマさんっていうランチのニュースには
吹いたさ。確かに旬でホットなアメリカ初めての黒人大統領で
エジプトや国連の演説は「やるなぁ」と口笛ふきたくなるような
うまさはあったけど、ちょっと待ったー

彼が世界平和で達成したことって何。

レコード大賞やベストジーニストじゃないんだから。
人気と勢いと雰囲気だけであげてよいものかノーベル賞。

アメリカ人の友達は

Ok, I was surprised as well, but in my opinion the award was not for Obama, it was actually an award saying, "Thank you for not being Bush."
(確かに僕も驚いたさ。しかし、これはオバマに対しての賞ではなく、実のところ、ブッシュじゃなくて(君でよかった)ありがとう賞ではないか)

なんて冗談言ってたけど、ひやーこれは驚きだ。
いや、確かにね、オバマのビジョンとリーダーシップには
大いに期待したいし、それは世界も同じだと思うけれど
その期待をもたせたことに「平和賞」ってわけじゃあるまいに。

プラハでの核廃絶演説はあったけど
「核なき世界へのビジョンは軍縮交渉を鼓舞した」って
まだ軍縮交渉も核なき世界も実現してないし・・・
イラクにもアフガニスタンにも米軍まだいるし、
「業績」でなく「理念」で受賞なんだったら
平和賞、鳩山さんでもいいってことじゃない?
そんなん
「エイズの治療薬をみつけようとしている人に、それがみつかったら
本当にすごいことだから、ノーベル医学賞」とか
「(まだ書いてないんだけど)大傑作を書きそうだからノーベル文学賞」
ってことでしょ?おかしいでしょう。
で、個人レベルの掲示板には「おかしい」とか「早すぎる」とか
疑問を呈するコメントであふれているのに
ニュースサイトみても「どこそこの首脳が喜ばしいとコメントを
発表した」とかそんなんばっか。

「国際政治の新たな潮流を生み、国連中心の多国間外交を強めた」って
国連演説で、国連中心の外交を目指していきましょう
って話はあったけど具体的にどこがどうって話じゃないよね?

それにしても、オバマのニュースが出るたびに
「ノーベル賞の賞金はケニアの援助に使われるんじゃないか」
みたいな、ケニア人の反応も
「オバマはケニアの大統領ではない」と声に大にしていいたいが

小浜市民が自分のことのように喜んでいる

みたいな日本のしょうもないメディアの記事、
どうにかならないですかね。害はないけど、ほんとしょうもない。
勝手に市民が応援するのはいいんだけれど、
これって記事にするようなこと?
もっとほかに取材するところがあるだろう。

とにかく、これをきっかけに
「核のない世界」を本当に実現していただきたいものです。
それができたら、本当に平和賞文句ないね。

個人的にはノーベル賞より、イグ・ノーベル賞のほうが
とっても気になります。
ガスマスクになる「ブラ」とか
パンダの糞で家庭のごみが90%減らせるとか
よっぽど一般の人の生活に役にたちそうじゃない?
(ガスマスクが役に立ちそうな生活ってのは避けたいし、
パンダの糞が一般に手に入るのかはおいといて)



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2009年10月06日

狂気と正気

キスマヨだけでなく
私たちが普段活動しているアフマドやハガール
その辺周辺でも戦いが波及してきた。

ひっきりなしに電話やSMSで
どこそこで戦いが勃発したとか
何人死んだとか
大砲を積んだ車が通ったとか
情報が入ってくる。

結局、その周辺の10月分の食糧援助を全部一旦延期
(そりゃどんぱちやっていたら食糧配っている場合でもあるまい)
なんか先週に、来週になったらアフマド行って栄養失調児の測定やろうと
予定していたのがはるか昔のように感じられる。
うちのスタッフも自宅待機で、AK47を枕元において
寝てるとか寝てないとか。

パキスタンの自爆テロも
サモアの津波も
インドネシアの地震も
ソマリアの戦争も
そして
自然災害だけじゃない
自分の娘を監禁して子供を作っちゃう男がいて
教え子と逃避行しちゃう中学の教師がいて
子供の前で覚せい剤をあぶっちゃう元アイドルがいて
友達を殺してコンクリ詰めにしちゃう未成年もいる先進国だって

すべてがどこか狂っている。

さて、そんな中で正気が保てるような気がしている
私たち一般人は、たまたま狂気を呼び起こす
邪悪な嵐の中にいないだけで
風向きが変わったら、普段社会の秩序に
抑圧されている狂気が
ムクムクと首をもたげてくるのかもしれない。

おんなじ人間なのだもの。
彼らがクレイジーで、私は大丈夫なんて
言い切れるはずがない。

誰もがもっている狂気や邪気を
まっとうに矯正するのが社会生活のリズムであり
規範であり、時に宗教であり、信念であるわけだけれど
これだけ多様な考えと生き方が「何でもOK」な世の中だと
自我をコントロールするのって難しい。

満たされていない世の中では不満がたまるし
満たされた世の中だと不安がたまる。

結局、「世の中」や「社会」に自分たちの問題の根源を
求めちゃだめなんだと思うの、つくづく。
自分が変わらないまま環境や社会や他人に文句ばかりいっていても
相手に憎しみばかり募らせていても
状況は改善しない。文句や不満がある人の多くは
自分の外に問題があるんじゃなくて(ある場合もあるけれど)
たいていの場合自分の内に問題があることが多い。
勝ち組とか負け組みとかっていう一刀両断な分け方じゃなくて
同じ条件と環境で、うまくいく人と行かない人の差って
頭のよしあしじゃなくて、頭と心と体の使い方な気がする。

個人の集合体が集まって、集団のダイナミズムができるわけだけれど
自分ひとりじゃないと普段できないことややらないことが
どんどんできる錯覚に陥る。
結局、銃をもった思考回路を止めてしまった青年を集めて
どんぱちの真っ只中にほおりいれたら人は簡単に順応してしまうのだ。

何が人を戦いに走らせるのか、とか
狂信主義にさせるのか、とか
最近そういうことにすごく興味がある。
彼らが何も特別なわけではなく
私が何も特別なわけではない。
同じ人間が環境と時代と場所を変えるだけで
変われるのか、ちょっと哲学書とかフロイトとか
読んでみたい気分。

しかし、相変わらずwii fitやってます。
なんていうかね、
体をきちんと動かしていれば、脳みそが煮詰まっちゃっても
クレイジーにならないで、
ちゃんと消化されてしわにおさまる気がするの。
こういう環境で、戦争と狂気と人間の矛盾を考えていると
なんか実社会から乖離していっちゃう気がするんだけれど
それを防止するのがwiiのバランスボードだったりするわけ。
答えの出ない問題を考えた後に
汗を流して、体重を計って、はたと現実に戻る、そんな生活。
見えない世界も探求するけれど
見える世界を否定しない。

見えない世界が広がってくると見える世界もよりビビットになってくる。
体も心も、世界も自分もいろんなところでちゃんとつながっている。
いや、つながっていないといけないのだ。




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2009年07月10日

本日の季節行事

万年常夏の赤道直下にいると
季節感が全くないので
時間が経つのが早い。
天候やら温度の変化や、衣替えや行事があると
なみなみと流れていく時間に、待ち針を指すように
自分の記憶にとっかかりができるけれど
ここではひたすら
4週間→それから休暇という5週間がひと固まりで
感情もやるべきことも自分の生存理由も
どーんどーんと流れていく。

日曜日と木曜日にスタッフミーティングがあって
水曜日にナイロビとの電話会議。
気がついたら、「あれ、もう週末?」
途中で雨期があって超どしゃぶりになって
コンパウンドの外が「ぬか床?」ってくらい
むにゅむにゅになったり
爆弾が発見されたり、
ビジターがきたり、
怪しい人が外部から偵察にきたり
囲っている動物の数が増えたり減ったり(食べるから)
するのだけれど、
どれもこれも季節感とは無関係。
てんやわんや、凸凹している間に
気がついたら「もう7月?」

友達のブログに
だんなさんと娘さんで
七夕の準備をする写真があって、
そういうシーンから自分がいかに遠い場所にいるか
考えたら、ちょっとクラクラした。
画面から伝わってくる幸せの温かさと
私のいる場所にある熱気というのは
明らかに性質が異なるのだ。
それはしっかりと根をはっているものというよりは
今の自分に勢いよく降り注いでいるもの。

季節行事には、非情な時間に影響されない
独特の真空空間がある。誰からも邪魔されない温かな聖域。
その聖域の中で、丁寧に時間をつむいでいくことで日本人は、
精神の基盤がちゃんとしてきたのだと思う。
宗教がなくても、季節に触れ、行事を執り行い、
自然に、家族に、そして”神”に触れる瞬間が
日本人の日常にはたくさん転がっていた。
ディズニーのビデオでは学べないこと。
携帯家族割にしてもつながらないこと。

ソマリアにはイスラムがあるから、
行事は全てイスラム関係だ。
ほかの宗教に物申すつもりはないけれど
ちょっと風流じゃないなとは思う。風流って英語にしにくいよね、
ソマリアだけじゃなくてこの季節行事の特別な感覚は
日本独特かもしれない。
クリスマスにプレゼント(の包装紙)を
びりびり破るやバレンタインに花束を送るのも
行事ではあるが、ちょっと私の求めるそれとは違うのだ。
ソマリアには七夕はない。
たぶん、ここだと「隣の星が流れるからついでに乗っちゃえ」とか
誰も見てないから会わない?とか
彦星と織姫も実は年に一回以上会ってそうな気がする。
天の川が干上がってるから実はラクラク歩いていける、とかね。
「なぜ一年に一回なのか」と本気で聞かれそう。

季節行事のよさって、「ルーティン」の安心感。
愛する人が隣にいて、
豆投げたり、
ケーキ食べたり、
記念撮影したり、
お墓参りいったり、
願い事を書いたりする。
その一つ一つの動作に
「今の自分」が
家族と社会と周りと時間と
つながっていることを確認する。

私も家族ができたら
ちゃんと七夕の飾りを作ろうと思う。
やっぱりクリスマスにプレゼントを
びりびり開けるのだけじゃだめなのだ。

2月3日にはちゃんと鬼の面を夫にくっつけて
お子と2人で容赦なく豆をなげるのだ。

海の日には海に行き、
みどりの日には山に行く。

うししし。考えただけでも楽しいではないか。
そして今日は7月10日。

78ca0014.jpg


ナイロビで買って来た納豆をいつ食べようかなーと
思ってたら、なんと今日は「納豆の日」だということが判明。
ちゃんと長ネギを刻んで(そのためにナイロビから持参)
辛子(マスタードで代用)も入れて。嬉しすぎる。
実は白菜漬けも買ってある。

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2008年12月31日

紅白覚書

年末といえば、紅白歌合戦

日本の最新のミュージックシーンを(も)
全くキャッチアップしていないので
提示されるものが
男なんだか女なんだか、グループなんだか
商品名か歌の題名か
よくわからない状態なのだが
自分の中で‘最新曲‘が
宇多田ヒカルの「カラーズ」だという時点で
かなりやばいのはちゃんと認識している。
(しかしFirst loveといわないだけまし)

いまさら、すべての分野で先を走ろうとは
つゆほどにも思っていないので
今年の紅白をみて思ったことを
箇条書きで書いておこうと思う。

1.大塚愛というのが思ったよりかわいくない
(しかも歌もあんまり上手じゃない。カラオケで
‘大塚愛を歌えばモテル‘は本当なの?)
2.松坂慶子が太りすぎ
3.石川さゆりのホルスタイン牛の模様のドレスってどうなの?
4.ジェロがすごい
5.ミスチルの桜井のトリップ具合が怖い
6.仲間由紀恵の二の腕の存在感
7.赤組が負け続けなのは仲間由紀恵の当意即妙度が
低い司会のせいだろう(司会というのはかわいいだけじゃだめ)
8.木村拓哉と今井絵里子が似ている
9.小林幸子と堀北真希が似ている
10.森進一は蝋人形か

楽しませていただきました。


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2008年11月05日

オバマフィーバー

アルジャジーラのライブで
オバマの大統領勝利演説聴きましたが
非常に力強い。
語彙の選択も、並べ方も
間の取り方も絶妙で
あー人の心をつかむスピーチというのは
こういうものなのだ、と
聞いていて、あと盛り上がる聴衆の反応をみて
不覚ながら(←なぜ)涙が出ました。
難しくひねくり回した役人用語なんて
全然使わないで
誰にもわかる言葉を
丁寧に重ねていく。

If there is anyone out there who still doubts that America is a place where all things are possible; who still wonders if the dream of our founders is alive in our time; who still questions the power of our democracy, tonight is your answer.
(中略)
It's the answer spoken by young and old, rich and poor, Democrat and Republican, black, white, Latino, Asian, Native American, gay, straight, disabled and not disabled - Americans who sent a message to the world that we have never been a collection of Red States and Blue States: we are, and always will be, the United States of America.

詩的でもあり、確信にみちた響きもあり、そして、
全ての国民に向かって語っている、という姿勢が強くでている。
私、アメリカ人じゃないけど、
聞いててゾクゾクしちゃった。

16年もの間つれそった”Love of my life"奥さんのミッシェルに
感謝の言葉を伝え、娘たちに「君たちが思うのよりずっとずっと
(パパは)君たちを愛しているんだ」という
政治家の顔だけじゃなくて、家族の顔も垣間見せる。
ともに戦った戦友をたたえ
仲間への感謝も忘れず、
そして、国民一人一人に語りかける。

こういうリーダーが、でるってのが
いまだアメリカのすごいところだなと素直に思います。
日本の政治家でこんなに信念と愛情をもった
スピーチをできる人っているのだろうか。

小泉さんはそれなりに力強かったけれどね、
力強ければいいってもんでもないし。
麻生さんはスピーチの構成は面白いし
ユーモアのセンスもあって
人間としては魅力的だけれど
どうもこう狙ってるのかもしれないけれど
ちょっと一国の頭の「風格」ってのが
足りない気がする。(あー麻生太郎信者の
あさに攻撃されるかしらん)
原稿を棒読みするどころか
手ぶらで颯爽と入ってきて
何百人、何千人もの聴衆を前に
メッセージを伝えるオバマ。
力強い口調と自信に満ちた口調と
垣間見せるふとしたシャイな笑顔が
すごく魅力的なキャラクターだなーと
思ったのでした。

しかし、オバマの父親の生まれた場所というだけで
現職大統領が
「明日は公休日にしよう」といってしまう
アバウトさがケニア。
いろんなレストランで
OBAMA NIGHTや
OBANA MENUが登場して
お祭り騒ぎ。テレビをつけても
「オバマに何を期待するか」とか
そんな街頭インタビューがされていたり、
これで観光客が増える期待もあるとか…
オバマはケニアの大統領じゃないぞー。





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2008年09月24日

別れさせ屋

Gmailでスパムメールを削除してたときに
間違って押してしまって出てきたHP

別れさせ屋

自分がつきあっている人とすんなり別れたい人
自分の恋人や配偶者が誰かとつきあっているのを別れさせたい人

どうやらその辺が利用するらしいんですが
へー世の中いろんな商売があるなぁと
押しちゃったついでにちょっと見てみたんですが

びっくりしたのがその料金

着手金50万
成功報酬30-60万

高っ困った

もしくは完全成功報酬(失敗した場合は無料)

315万

もっと高っ困った

ってか、人と別れるのに、別れさせるのに
こんなに払える余裕がある人がいるんでしょうか。
いるから、商売としてなりたつんだろうけどさー
それにしても高くないか?

確かにその筋の人とつきあって完全に縁を切りたいとか
別れたら命に問題がある場合は
これだけの「保険」をかける価値はあるかもしれんですがね、
そもそもそういう別れるのに金が必要になるような
問題のある人とつきあわないよ、普通?

それ以外は、別れたかったら
このお金使って、ぽーんと新しい家に変えたり
携帯も変えて、髪も切って、帰国したり、
ほかのボーイフレンド作ったり、仕事に没頭したり、
いろいろ方法もあるだろうに。

で第二点の自分の相手が浮気をしてて、それを別れさせたい場合ですが、
相手が浮気してた時点で愛が冷めそうなものだし
でもし、うまく彼がその浮気相手と別れたとしても
一回離れちゃったものは、また自分に帰ってくる保証ないよね。
ハイリスクローリターンな投資ですね、これは。
それに315万かけちゃうのが惚れたものの弱みってやつなんでしょうが

私315万あったらそんな浮気男さっさと縁切って
ゴージャスに世界を豪遊するのに!(←!マークを使うほどのことではない)

閑話休題。でもまだ閑話続行なんだけど、
ちょっと興味をひかれたのがその「工作員」プロフィール。
”自分のやりがいを求めてこの世界に飛び込みました”
自分発掘生活充実しています系。しかも美人
(っぽい。顔はでてないんだけれど)

ターゲットの浮気を調査する、探偵業ってのは比較的知られているけれど、
そのターゲットに近づき色恋仕掛けで落とす職業。
なんだかちょっとムスクでジンジャーな大人な香りがします。

ボス「よし、みお。次のターゲットはこの男だ。落として来い!」
  「与えられた期限は2ヶ月、報酬は200万だ」
ミオ「あいあいさー」

こんな感じでしょうか。。。

ちょっと楽しそう。
そんな人の心の弱みといやらしさにつけこむ仕事なんてさ、
といいつつ・・・・
私の仕事もそのあたりの人間のよどみにどっぷり浸かったりもするわけで。
さて、仕事に戻ろうっと。

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