2009年04月

2009年04月28日

亀蔵の冒険

朝6時頃、目が覚める。

ゴゴゴ

すり鉢をすり合わせるような
音がする。それも至近距離から。

ゴゴゴゴゴゴ 

シューシュー

あ、このシューシューは亀蔵だ。
顔のところに指をつっこむと
威嚇なんだかなんだかシューシュー音を出すのだ。


でも、なぜ午前6時。

bead2e9d.jpg


・・・・洋服棚を支えるコンクリート片に
詰まってた。どうがんばってもぬけられない、
というかよくここまで進んだね君

亀はリバースできないから
助けてあげないとずーっとここで人生停滞。
一万年?

普段はテントで放し飼いをしていて
毎日外に出してあげるんだけれど(草を食べるため)
最近、水で洗ってあげると

泳ぐことを発見。

普段はもちあげると甲羅の中にはいっちゃうんだけれど
水をかけると、まるで泳いでいるように
手と足をもぞもぞさせるのだ
楽しいみたいで、これだとつかまえながら
頭をなでなでもできる。
こころなしか微笑んでいるような・・・

ラブリードキドキ小

しかし、調子に乗って膝に乗っけていると
おしっこひっかけられます。

当初なんも考えず

亀蔵

とつけてみたんですが

スタッフ「亀蔵って意味なんすか」
ミオ「亀はタートルで
蔵は・・・・」

うーん困った Warehouse?(倉庫)←わけわかんないし
困った末に搾り出した回答がこちら

ミオ「日本で典型的なおじいさんにつける名前なんだよ」

ほ ん と か よ

ちびまるこちゃんのおじいちゃんも友蔵だったしね。
・・・ってそれしか浮かばないけど。
(ちなみにうちの祖父は貞雄と哲一で蔵つきません)



at 18:21|PermalinkComments(5) National Miographic 

2009年04月27日

秘密の花園

昨日からトレーニングが始まってます。

チームビルディングとコミュニケーション

ナイロビから専門家がやってきて
コミュニケーションの妙とか
チームビルディングの極意とか
教えてくれる由。しかし
うちのオフィスもともと20人ちょいしかいないし
大きなテントでみんな文化祭前夜のように
わいわい仕事をしているので、
チームとしての結束固いし
コミュニケーションも結構とれてる。
スタッフの年齢も若いし、
とってもフレクシブル。

内輪びいきってわけじゃなくて
ほかのオフィスの話を聞いたり
ナイロビとのコミュニケーションの壁やら課題やら
考えると、うちのオフィスはすごく風通しがよいのです。

最初の自己紹介(いらないんだけれど、一応ね)から

専門家「せっかくだからみんなが知らない
あなたの秘密を一つ発表しましょう!」

一人目 「妻が3人います」
一同  「そんなの知ってるよー」

暴露話も1年も一緒にいれば世間話ってんで
かなりがんばらないと「秘密」がでません

「僕は8ヶ月ほど刑務所に入っていたことがあります」

おおお

とか

「僕は3年前に最愛の女性を事故でなくしました」

おおお

とか

「私は今、妊娠しています」

とか

困った

トレーニングの自己紹介で発表するかな。

私も

「私は結婚していませんが、実は子供が二人います」

とか言ってみる。
みんなの反応がストレートで、満足する私。
受け狙いですけど、もちろん。

「でも、結婚は予定は来年に延期したんだよねー」

・・・なぜ一スタッフの君たちが
私の結婚の予定(←ただの希望)を知っている?!

妊娠したスタッフに休憩中に
「あなたが妊娠してるって知らなかったよ!」と
声をかけたら
「あれ、私結婚したって知らなかった?」
・・・いや、結婚したのは知ってたけど
結婚=妊娠、という図式がなかなかほほえましい
ソマリアの初夏です。

これから水曜日まで
チームとしてどんな成長ができるか
楽しい時間がすごせるか
期待大であります。






at 23:02|PermalinkComments(1) お仕事 

2009年04月26日

生存表明

いろいろありまして
せわしない毎日を過ごしていますが
非常に元気です。

Bakoolで国境なき医師団のスタッフの誘拐事件が
起きたときは、ケニアの日本大使館から
生存確認の電話がきたりして

日本ってのはすごいねぇさすがだねぇ

とスーダン人やエジプト人の同僚が素で驚いてたな。
いや、私もびっくり。

安全上の理由から、一週間ものすごい緊張感に満ちた環境で
仕事していましたが、
別に普段からコンパウンドの外に基本出られないので
私としては「自由が剥奪されている!!」みたいな
エキストラの危機感はないのです。

対航空機のでかい砲弾を積んだトラックがうちの町に
到着したとか(おいおい何に使うんだよ)
銃をもった外部の人間がうちのコンパウンドの近くを
うろうろしているとか
11月にうちを狙った爆発事件に関与した人間が
また戻ってきてる、とか。

ま、そんなんでフィールドワークもできないのですが
NGOのスタッフのミーティングは全部うちの敷地内でやるし、
次から次へと村の長老やらビジネスマンやらが
情報を持ち込んできたりで
一日中、休む暇が全くありません。

で、そんな中夕食を食べたあとのひそかな楽しみが

24←シーズン2

この緊張感に満ち満ちた中で
大音量にしてみる「24」
臨場感が違うんだわ。
ジャックバウアーの国と家族を思う愛と意志の強さに
涙しながら、心臓をどきどきさせて、

なんか私、いざとなっても心構えはできるかも

という気にしてみる。
いざって何?
心構えって何?
って話ですが。
そういうことはつっこまないのがマナーです。え

ジャックバウアーの拷問に比べたら
私の環境なんて、夏休みの田舎リゾートみたいなもんだし。
(リゾートに銃をもった人間はうろうろしませんけど)

さー仕事だー!




at 22:08|PermalinkComments(0) お仕事 

2009年04月25日

人生は長し

今日は週末でオフィシャルに休める日なんだけど

全然休めない

次から次へと長老やらビジネスマンやら
コントラクターやら工事の人やらやってきて
ミーティング三昧。

全部で20分で終わる内容の一つのミーティングに
2時間かける。その理由を考えてみる

理由?
ソマリア人は会話の中に「ことわざ」や
「小話」を入れるのが好きである。
で、しかもその小話が本題より長く
そのことわざの意味が全くわけわからないことが
結構ある。

今日も材木をモガディシオから運んでくるか
地元で手に入れるかという値段と時間の交渉をしている最中に
「それはソマリアのことわざで
胃によくないものを食べたら、
吐き出すことでしか問題は解決できない」とか
意図不明つながり不詳な説明をしている業者がいて
つっこみたい気分満々だったんだけれど
それをやっちゃうと業者の思う壺っていうか
2時間のミーティングが2時間30分になる勢いだったから
やめておいた。で、あとでこそっと通訳してくれた
スタッフに聞いたら
「そんなこと言ってたっけ」と
軽く一蹴された

「それはソマリアのことわざで肉を食べるには、
皮をはがないといけないというように」とか
なんの流れで出てきたか忘れちゃったけど
ビジュアル鮮やかな割りには理解を全く助けないことわざの数々。

理由?
ソマリア人は繰り返す

たとえば長老5人とミーティングをしたときに
一人目の長老が「ワタクシ長老を代表しまして…」といって
長々と演説をするんだけれど、訴えポイントが5つくらいだとして
その背景と理由とそれがどうであるかをこと細かく語るので
20分くらいかかる。
で、二人目の長老が「先ほどの長老がほとんど言いたいことを
言ってくれましたが…」といって
全く同じポイントを改めて繰り返し、その間に
ソマリアのことわざや小話をちりばめるので、
今度は30分くらいかかる。
で、3人目が「ワタクシにもしゃべる機会をいただきまして
大変光栄に存じます」と枕を語った上で
「ワタクシがいいたいポイントも先の二人と同じく・・・」

先の二人と同じなんだったら、もういいよ困った←心の声

とりあえず、みんなしゃべりたいのがソマリア人。
時間もたっぷりあるから、別に急がないしね。

理由?
うちにミーティングに来ると
水・ソマリティー・ソーダが飲める

ミーティングの時間によって
水だけの時もあれば、それにソマリティーをつけるときも
あるんだけれど、もうちょっと長くいるとソーダが出てくる!
(って別に決まりじゃないんだけれど)
と理解されている風で、
長老に「で、今日はソーダは?」とか催促されちゃうし。

理由?
そのあとの予定がないので別に急がない

・・・業者の人に
「ミーティングはとても楽しくて毎日でも来たくなります」

・・・困った来なくていいよ←心の声

人と会うのは楽しいですが
週末くらいはちょっと一人の時間を楽しみたいと
思うのは、贅沢じゃないよね?





at 19:28|PermalinkComments(0) お仕事 

2009年04月21日

清明時節雨紛紛

ソマリアはわびさびを感じさせる季節の移りかわり、
などという気の利いたものはありませんが
今はちょうど雨季の始まりで、
清明の時節雨紛紛路上の行人魂を断たんと欲す
な時期ではあります。
↑幼少時代の父親のお風呂暗記教育の賜物。
しかしまぁ、借問しようも
酒の飲む場所も、花の咲き乱れる場所もないのが
ああソマリアよ。ソマリアよ、なんですけど。

雨がフンプンとしているときには
テントにこもって読書するか
「24」見るか、
温かいミルクティー飲みながら同僚と人生を語るか
ひたすら仕事するか
の4択。
大雨の落ちる音を聞きながらテントで読書すると
すごく心が落ち着く。
たとえ世界がここで終わろうとも
穏やかに死んでいけるなぁという悟りにも
似た心境になる。
アザーンなんかが流れるとますますいい感じ。

今は雨がやんで、
気温も普段より10度くらい低くてすごく快適。
これが明日になって太陽熱に熱せられると
熱気に湿気がかかわって、
サウナ状態に拍車がかかるのだけれど
雨のふった直後の午後は、とてもいい感じ。

あんまり気分がいいんで、
アリシア・ケイのNo oneを熱唱しながら
トイレからテントに戻ってきたんだけれど
開けた口にこおろぎがとびこんできた。
喉仏直撃困った

耳に羽蟻が飛び込んだときは
ものすごい大きな音がして(しかも痛い)
死ぬかと思いましたが
最近は運動神経ちゃんと鍛えているので
一瞬ではきだしました。蟋蟀もびっくり。私もびっくり。

雨が降るとある種の昆虫が大発生する時期があって
今はちょうど蟋蟀デー。

これが数日するとぱたっといなくなって
羽蟻だったり
とんぼだったり
へんなカメムシみたいだったりします。
面白いのは、何種類かいろいろいるんじゃなくて
一度に一種類が大量発生して
一斉にいなくなること。

本当にここはわびさびとは対極の
おおらかな自然とむき出しの野生に溢れています。


at 19:05|PermalinkComments(3) 衣食住 

2009年04月18日

手榴弾とピザ

昨日の夕方、ピザを作っていたら

隣町のうちのオフィスに手榴弾が投げ込まれた
という速報が。

困った

栓をぬかないで投げられたんで
爆発しなかったんだけれど3つほど。
壁の外から投げ込まれたしい。

先日起きた誘拐犯がすでに町にもどってきているという情報があり

きっとなんか起きるぞ、と話していた矢先。

しかも、ブアレでも、
昨年末にうちを狙った爆弾事件が起きたんだけれど
その主犯と数名の外部の人間が
うちのオフィスから400m離れた先に
宿泊しているとの話。
ほかにも、昨年の誘拐事件に関わった
チームも先週からうちの周りをちょろちょろしている。

普通だったら、これだけで

即退避

という勧告がでてもいいのだけれど、
さまざまなローカルレベルでの政治駆け引きがあって
一概に避難すればいいというわけじゃないのが
この稼業の深いところ。
危ないと仕事できないんだったら
最初っからきてないからね。

命を捨ててまでやらねばならぬ使命が!!!と
瞳に炎を燃やしているというよりは
確実にここにいればやれる仕事があって
食糧を必要としている人たちがいて
ガバナンス云々とかキャパシティビルディングとか
そういう「上から目線」なレベルでなくて
もうそれこそ「毎日のごはん」を気にする仕事。
水がなくて人が困ってたら
ユニセフを呼んできて、
雨が降るまでトラックで給水をしてもらう
そんな「焼け石の水」仕事。
でも、焼け石に水をかけてなかったら
石は焼けて粉々になってしまうかもしれない。
でもそんな一瞬先が読めない暗闇の中で
もぞもぞ魑魅魍魎としている動きの末端で
激動する歴史の荒波をかぶりながら
粛々と仕事をするのが肌にあってる。
水を得た魚というか、毎日なんかあって
本当にもう自分の理解の針を完全につきぬけちゃってる
「世界の常識・非常識」のかたやぶりのスケールのでかさ
に圧倒される気持ちよさ。
いちいち腹をたてていたり、怖がっていてもしかたない。
自分のできることなんてほんの少しだけれど、
できないことが気にならなくなる。
だって世界はこんなにも広くて、ひどくて、
すごくて、深いのだもの。
自分ひとりではなんにもできなくて、当たり前。
でもチームになったら自分はこういうことができるよ
と小さな自分の可能性に光をあてられる。

自分が世界にどう関わっていくか、ということに
そろそろと焦点を定めながら
軸を広げつつ、自分の足元を固めていく。
学生時代に外に出始めてわかったことだけれど、
自分は探してみつかるもんじゃなくて
今まで自分が身をおいてこなかった場面や場所や感情を
通して、能力と興味をどんどん積み重なって作り上げていくもの。
「いい経験でした。完」じゃなくて、
経験が糸をひいて、ウェブになって、人をひきつけ
チャンスが転がり込み、
自分のこれからにどんどん絡み付いてくる。
だから今、私の気分としては

なんでも、どんとこい。

なのだ。もちろん自分は手榴弾を解体することもできないし、
極秘情報を自分から積極的に握ったりはしない。
でも、どんな環境にいても、右往左往しないで
パニックにならないタフな心の皮がある。
若いスタッフに相談されたら、それなりの助言もできる。
まだまだリーダーとしてはひよこレベルだけど
ひげのはえたひよこを目指すのだ。←なんだそれ

正気を装いながら、というか
何をきいてもあんまり動じない自分。
手榴弾が投げられた!と聞いて
出張にでてるうちのスタッフの所在を確認して
「あとなんかほかにやることある?」って聞いても
予想通り「別にないよ」といわれるわけだから
またピザつくりに戻るわけ。

10分以内に人生まとめる心積もりはできてるし、
もし1分しかなかったら、とりあえず持っていける夜逃げセット
(化粧品一式とパスポートとお金)はちゃんとかばんに入ってる。

で、今日のピザはハーフ&ハーフ

ターキーのサラミ、たまねぎ、ピーマン、オリーブと
ツナ、ニンニク、アンチョビ、ピーマン
344e8c94.jpg

腹が減っては戦はできんのです。


at 22:40|PermalinkComments(2) お仕事 

2009年04月16日

熱愛発覚

暑中お見舞い申し上げます。
…と相変わらず暑いわけですが
雨期が始まり、
熱気に湿気が加わるという現状。

そんな中仕事は、といえば
ラクダ100頭が野犬に追われ暴走
空港(というか滑走路)のフェンスが1キロにわたって完全に破壊とか
ガードの待機小屋がアリにくわれ壊滅寸前

食糧をつんだ大型トラックが
ぬかるみにはまって大往生

・・・とかそんな日々です。

毎日なかなか気が休まりませんが
そんな忙しい人間をよそに
愛を深める二匹…

8a81f4bb.jpg

メリーとリオ

ちなみに、メリーなんていってますが雄。
リオも雄。

お国柄的には許されざる関係です。

でも、かわいいからいいのだ。

動物ネタばかりですみません。
仕事もちゃんとしてますんで。





at 21:36|PermalinkComments(0) National Miographic 

2009年04月13日

夕暮れ演奏会

「アルプスの夕映え」という曲があって
壮大な鍵盤使いをする中級レベルの曲で
気に入ってよくひいていたんだった

黄金色と茜色と桃色に染まる
日暮れ前のブアレ
大地のまんなかに
グランドピアノをおいて
思いっきり弾いてみたい

ジョージ・ウィンストンは
この夕陽をみたら
どんな曲を奏でるだろう

そんな妄想にかられる夕暮れ

7e6b63e5.jpg


at 21:58|PermalinkComments(4) National Miographic 

2009年04月12日

ファラオの旅立ち

ファラオの鎖をはずしました

ここ数日で尾っぽの羽が何枚もぬけて
時折見せる表情がなんだかとっても切なくて
やっぱり鷲は大空を舞うのが
あるべき姿だよね、とスタッフを相談して
自然に帰してあげることにしました

鎖をはずしてもずっと石の上に乗っていて
肉を上げるといつもと同じように
よってきてちょいちょいとつついて食べる
0851c449.jpg

最後のお昼ごはん

f962ffe7.jpg

男前ファラオ

もしかしてこのままいてくれるかな
と淡い期待はあったのだけれど
午後にオフィスにいって、4時に見にきたら
もうそこにファラオはいませんでした

うちのオフィスにいる動物たちは
ペットじゃなくて、あくまで自然の延長で
オフィスにすみついている仲間たち。
なついて近寄ってくるものもあれば
近寄ると殻にこもるものもあり

食べないでね、と念押ししなければ
現地のスタッフに食べられてしまう”食材”でもあります。
(亀ととかげは除く)

今、きっとファラオは久しぶりの大空を
気持ちよく飛んでいると思うの。
元気でね、I already miss you a lot.

で、今いるのは

やぎのメリー
ディックディックのリオ
亀の亀蔵
鶏の花子、珠子、正子
とかげのトビー

9a0c810d.jpg

トビーと正子
このトビーの食べっぷりが素敵
にわとりもとかげもスイカが好物って知ってた?

9c90d71c.jpg

オオトリはやっぱりリオ
今はいつもメリーと一緒です。






at 18:23|PermalinkComments(2) 衣食住 

2009年04月11日

シュールでパンク

bfa82a12.jpg


このセンス、素敵。
みなさま、よいイースターを。

ソマリアはムスリム国だから
関係ないけどね。
今日の朝は卵焼き食べたけどね←無関係

ちなみに、きっかり4時に嫌がらせのように鳴く
雄鶏は先日のフライドチキンに昇進しましたが、
残り肉を鷲にやったら、代わりに雌鶏がすごい勢いで
平らげていきました。

現実もシュールだわ…



at 23:27|PermalinkComments(0) かるちゃー