2008年10月

2008年10月30日

愛に生きる

はまっていることがあります。

材料は・・・

注射器

そして・・・

白い粉

朝と夕方二回にわけて
注射器2本分

もう楽しみで楽しみで
朝もばしっと起きられるし、
仕事してても、ワクワクしちゃう。
生活の潤い度100%UP!

それは

小鹿に授乳する日課

5883da41.jpg


先日ユスフが買ってくれた小鹿
(というかDikdikというミニチュアな鹿系動物)ですが
推定人間で言うと16歳で
思春期真っ只中。全くなつかぬまま深夜のトイレ時に
たまに目撃する幻の存在と化してしまいまして
で、私が口笛を吹くと駆け寄ってくるバンビがいるという、
ささやかな夢があきらめられない私としては
「ねー幻Dikdikに友達いたら楽しいと思うよ」と唆し、
二匹目を手に入れることに成功。
今度は思春期ではなくて
生まれて(推定)2週間と思われる赤ちゃんなの!
いたいけな目でじーっとみて、30センチくらいの体で
ボールペンより細い足でひょこひょこ歩くさま。
まだ何がなんだかわかってないので
だっこしてもなでなでしてもじーっとしているバンビくんですが
ここ数日、私が「ミルクを上げる人」だという認識が
ちゃんと出てきたみたいで、
私が部屋に戻ると(注*今テントのダンボールの中で生活中)
ダンボールのふちに足をかけて「遊んで遊んで」とやるのです。
で、ダンボールから出してやるとちゃんとついてきて
私のおなかによじ登ってきたり、ズボンのふちに鼻をつけたり。

朝と昼ごはん終わってからと夜
30分くらいテント内で放して一緒に遊んだあとに
注射器に粉ミルク溶かしてあげたのを口元にもっていくと
チュパチュパ飲むのが今一番の楽しみです。

めっちゃ癒されます・・・

ラクダを飼うのは「コンパウンドには十分な緑がない」と
反対されてあきらめたワタクシですが
(先日、国連職員のインタビューでラクダをペットにした人の
話がでていて、刺激されたの)
大きくならないDikDikはもうちょっと大人になったら
敷地内で放し飼いにする予定。
ソマリア人食べるんだけどね、Dikdik…

スタッフが今日は「陸がめ」を差し入れしてきました。
30センチくらいあるすごいでかい亀。
ガラパコスでこんなん見たな…
この陸がめ、すごい勢いで移動して台所の前にいたのに
仕事から帰ってきてテント開けたら目の前にいた、とか
ミーティングしている最中にもそもそ私たちの真ん中を
通り抜けたり、とか
触ろうとすると殻に完全に引きこもりますですが
普段はのびのびオフィス中を歩き回っていて
長靴のうしろとか、洗濯バPツの横とか
そういう地味なところでもぞもぞしてます。かわいいです。
亀はなつきそうにないけどね。なつく亀ってのも怖いけど。

先日70ドルでライオンの赤ちゃんを売りに来た人がいたとか。
でも、ライオンは以前NGOが買っていて
一日に5キロ肉を消化するようになって
手に負えなくなり射殺されたという話を聞いたので
うちでは飼いません。

将来、家ができたらスーダンに置いてきたカポをひきとり
ソマリアからこのDikdikをつれてきて
庭で買いたいわー。

ソマリアからDikDikを持ちだすのって
ワシントン条約とかにひっかかるのかしら。
いやむしろどっかに持ち込むほうが問題か…

渦巻く憎しみの真ん中にいて、正気を保つには
前向きであるには、
「愛に生きること」のが一番です。

4b74516c.jpg

隣に鎮座ましましているのは
私の24.5cmの靴。



at 23:17|PermalinkComments(3) 衣食住 

2008年10月29日

リアルに戦場

ジョークでもゲームでもドラマでもなくて
現在リアルにソマリアは戦場です。

もうここ20年近く、無政府状態なので
何があっても全く不思議じゃないわけですが
ここ一ヶ月で二人うちのスタッフが殺害。

昨日メルカで大規模な路肩襲撃(Roadside bomb)があり
暫定政権のおえらいさんが死傷。
うちのオフィスから数キロしか離れていない場所での出来事。
今月の初めには国連カーが襲撃に合い
すでに最低限のスタッフでの運営になっていたのが
今回の事件を受けて、国際スタッフは完全撤退。

今日、”比較的安全”(Phase III)といわれていたハルゲイサと
北部プントランドのブサソで同時多発爆発。
ハルゲイサはUNDPが標的になり、国連スタッフにも
死傷者がたくさん出た模様。

”危険地域”(Phase VI)である南ソマリアは
先週最初にワジットの、私もよく利用する滑走路で襲撃戦があり
ガードが3人死傷。国際スタッフは完全避難。

というわけで、そして誰もいなくなった…になりつつある
ソマリアで

比較的平穏を保っているブアレで粛々と仕事をしています。

ここは、今平穏だからって明日を保証するものでは全くなくて
今週、地元政権がICUからAl-Shababに変わったばかり。
どちらも反政府組織ですが、より急進派に牛耳られました。
ただ、昔の政権と今の政権と兼任している人も多くて
何が変わった、ってはっきりいえないことも多いですが、
一ついえるのは

油断ならねぇ

昨日はボディーガードがスタッフの3倍いる状態で
車で片道4時間かけて、日帰りで”近くの”村へ
ミーティングしてきました。

私は「かわいらしい女の事務所長」という役回りで
セキュリティーオフィサーのさまざまなところから入ってくる
情報戦を片耳にいれつつ、表向き
”何も知らないがごとく”にこにこと
でも譲れない場所では譲らないタフさをコーティング。
ミーティング出てても面白いんだよね。
表向きに語られることの裏で本音の探りあいの交戦が繰り広げられる。

女だから難しい、なんてことは全くなくて
むしろムスリムで百戦錬磨の軍出身のセキュリティーオフィサーと
ちゃんと役割分担をできるからいいの。
飴と鞭というか、一枚岩ではこういう国では戦えないので。
私のたどたどしいソマリ語は
場の空気を和らげるのには有効ですが
それはあくまで戦法であって、
まずは知ってもらうこと
やるべきことをなすべく
しかし利用されぬよう
笑顔の上で
「でもこやつは侮れないでも、感じ悪くはない」
そんな印象を持ってもらえれば仕事がやりやすくなる。

というか
「こいつは使えない」とか
「こいつは敵だ」と思われたら

刺客を送られます…

ってか、ミーティングに来るのに
ひざにAK47をおいて、手榴弾を体にまきつけてますよ、
ここの反政府軍。

ブアレも明日はどうなるかわかりませんが
できるところまでやってみようと思います。

前にも書いたけど
私は死ぬって気がしないんだよ。
やるべきことがあるからここにいるんだと思うから。
恐怖というよりも、心に広がるのは圧倒的な静けさなのです。
誘拐されたりカージャックされたらどうするのかって
訓練もちゃんと受けたしね。目の前に血を流している人がいても
医療従事者が来る前にどうすればいいかわかるしね。

開き直りなのか、覚悟なのか。

いや、でもまだ死なないぞ…
日本で温かいごはんに納豆をかけて食べるまでは

at 23:52|PermalinkComments(6) お仕事 

2008年10月28日

バベルの大地

d7b97571.jpg


高い建物を建てれば建てるほど
空は遠くなっていく

ソマリアの大地に立って
上を見上げると
雲も太陽も
手を伸ばせばすぐそこ、な場所にある
全速力で走れば、地の果てについて
吸い込まれるように宇宙の底が見えそうな予感がする。

神に近づこうとすればするほど
人間は真実から離れていくのかもしれない。

あるがまま
なすがまま

理解すべきことよりも
受け入れるべきことが
この世の中にはもっとある



at 23:50|PermalinkComments(0) National Miographic 

2008年10月27日

不純異性交遊?

バレーボールが放課後の日課になりつつある
ブアレオフィスですが、
昨日、初めて女の子が参戦。
いつっも私しかいないけれど懲りずに誘っていたら
今日はなんとSちゃんが「私、昔バレーボールやってたんです」
という告白とともに、
全身テルテル坊主で(でも顔のベールはなし)参加!!
この服装でよくサーブできるなー!と感心することしきり。
ボールをはじして「きゃっ」とかわいくいうさまとか
男の子じゃないんだけれど、なんかまぶしい感じ。
こころなしか、男性諸君のはりきり具合がいいような…

ではじめて20分くらいして、セキュリティーアシスタントから電話。

「即バレーボールを中止してください」

ミオ「なんで?」

SA「地元の警察が聞きつけて問題になってます」

・・・困った

どうやら、外国人の私は「黄門印籠」でスルーだったのが
いたいけなソマリア子女が男の子と一緒になって
プレイするってのは、だめらしい。
こんな太陽で赤々としている大地の上で
健全な男女がさわやかにバレーボールしているところの
どこが悪いのか、さっぱりわからない。

面白かったのはプレイしているみんなが
「いいよ。そんなのほっといて続けようぜ」
というスタンスだったこと。
ここはまぁいわゆる治安警察なわけで
事態によっちゃー逮捕者が出たりする、
映画みただけで投獄とかそんな場所なので、
その辺は避けたいところです。

みお、ソマリアで刑務所入ったらしいよ

とかってうわさになって、その原因が

バレーボール

って笑えない?ネタとしては上質でしょう。
罪状不純異性交遊誘発、とかになるのだろうか。
文化や宗教を尊重するのは大切なことですが、
それは自分の価値観を「否定」することとは違うから
二つの違った文化がうまく融合して、調和して、
新しいものがうまれるようにするのは
これからの若者の任務。

たいした娯楽もないここで、
外国人とバレーボールをして一緒に汗を流すことで、
そして、トスの練習をすることでチームの連帯がだんだん強くなってくる。
そしてたとえば「女の子も男の子と一緒に楽しくすごしていいんだ」という
新しい価値観が構築されてくる。

違った考えを持つ人と楽しい時間を一緒に過ごすと、
自分の世界が無理なく広がっていく。
必要なのは、講義でも、議論でも、説得でも、説教でもなくて共感。
あ、この人楽しいなと思われたら、たいていのことはうまくいく。
私だって、この人楽しいなと思う人と時間を共有したいもの。
仕事でも、プライベートでも。

彼らが間違っているわけでも
私が正しいわけでもなく
ただ、違うポジションにある二つの(もしくはそれ以上の)考えの
枠をやわらかにして広げていくことは
仕事をする土壌づくりみたいなものだ。

急にやると急性中毒になるから、少しずつ。少しずつ。
自分がいることで、まず周りから、足元から
新しい世界が広がってきたらいいなと思う。

現在うちのオフィスが南ソマリア唯一機能しているオフィスなのですが
明日副代表がやってきて一緒にフィールドトリップにでます。
5台の車と40人のセキュリティガード

フィールド用の演説原稿をこれから暗記します。

聴衆の心をつかむには、これが一番。
さっきまでスタッフが4人がかりで
私の原稿翻訳、発音矯正と演技指導をしてくれてました。

大学時代の英語劇とミュージカルの練習思い出すな~。





at 23:14|PermalinkComments(2) 衣食住 

2008年10月26日

暗黒日曜日

今日は仕事始めです。(金曜日と土曜日が週末)
結局、金曜日も土曜日も仕事しっぱなしで
昨日、バレーボールのあとに一時間走りこんだら
疲れ残りまくり。

さて、今日は先日飛行機の後部座席においてきた
チョコレートが届きました。28入りのお徳用ミニスニッカーズと
マーズとボウンティ(ココナッツ入りのチョコレート)!
5000円分チョコレート。スタッフ用。

うわ、全部溶けてる…困った
やわらかとかそんなレベルじゃなくて、液体チョコレートと化してる。
とりあえず、冷蔵庫に放り込んでみる。どうにかなるか。

友達が送ってくれた「真実の自分」心理テストをやってみる。
詳細な質問答えること20分。「診断する」ボタンを押す。
わくわくわくわく…

あー、結果文字化けしてるよ…困った

あー真実の自分なんてもうどうでもいいから
週末報告まじめにやろう。朝から書き始めて気合入れてまとめること
来客、昼ごはんをはさんで5時間。
最後の来客に呼ばれて、1時間して戻ってきたら

がーん、コンピューターがShut downしてる…困った

あー4時にジェネレーターのスイッチを一回オフするもんで
ちゃんと保存しとかないとたまに消えるんだった。
自動保存とかなってないかなーと思ったけど朝の10時分くらいしか
保存されてなかった。

orz 

しかも今日の来客は、まぁ本当に実に理不尽で、
表向きディズニーランドのパレードダンサーかってなくらい
にこにこしながら、心の中でちゃぶ台ひっくりかえす私。
久しぶりの友達からメールがきたと思ったら
同僚からセクハラ受けてるという内容で
しかもこの同僚ってのが、私も知ってる人生の中で
思い出したくない人No.5には入る人。

今日これだけ凹むんだからチョロQ原理で
明日は上向きに凸撃な一日を期待。
あー週末報告やんなきゃ。
二回目、ってのが痛いなぁ。
5枚分書いてたのが1枚ちょっとしか残ってない。
まめに保存しろ、って話なんですが。
忘れてきたチョコレートにしろ、保存してない報告にしろ、
私の人生40%くらい自分の愚かな所作の尻拭いをしている
気がしなくもない。この40%が10%くらいに押さえられれば
もうちょっとまともな人になれるか。



at 23:31|PermalinkComments(4) お仕事 

2008年10月25日

オフモード

半年くらい前にナイロビで動物園にいったときに
百獣の王ライオンが仰向けで爆睡してて

これだから都会っ子は・・・

って思ったんだけど、
なんのことはない。大自然マライマラでもこれ↓

5db9eb2e.jpg


ま、睡眠は基本ってことで。



at 21:06|PermalinkComments(0) National Miographic 

世界パスタデー

というわけでWajidの戦闘は膠着状態で
インターナショナルスタッフ退避完了。
普段私たちが使っているキャラバンが銃撃で
穴だらけになったって。ヒョー

0db2df64.jpg

↑キャラバン9人乗り小型機

状況は予断を許しませんが
うちのオフィスにはヘルメットも防弾チョッキ
(10キロめちゃめちゃ重い)も食糧のたくわえもある。
桃屋の塩辛もあるしね。(しかも2瓶キラキラ
先日、うちの倉庫にボートがあることがわかったのだけれど
実際ここがどうにかなったら、倉庫からボートを出して
川下るというオプションが現実なのかはなぞ。
みんなで「で、このボートどうやって川へ運ぶんだよ」
って問題になってたしね。川にはワニもいるからね。
道路はあってないようなものだし、
途中チェックポイントだらけだし。

ローカルスタッフとフィールド出発の前の
ブリーフィングを終えたところ。
本当は私もフィールド出る予定だったのだけれど
ま、それどころじゃないわな。

というわけで今日は週末なわけですが
なにやら喧しく、あんまりリラックスするような
雰囲気ではありません。
でもね、友達がいってたのだけれど

I would rather be where I am needed instead of entertained.

私が人生に求めるものってこの一文に尽きる。
もちろん”必要とされる”ってのは仕事だけじゃなくて
家族だったり、コミュニティーだったりもするわけだけど。
で、「役に立ってる」もしくは「役に立てそう」感が満ち満ちたところで
じゃあ、何か楽しいことはないかな?と探すの。
徹底的に消費者じゃなくて、創造者の立場でいたい。
誰かが発見したり、作ったり、率いてくれたりするのに
くっついていくだけじゃなくて、
自分の意志で何かちゃんと動かせるために
教育ってのは受けてきたわけだから。

今日は世界パスタデーらしいので、パスタを作ります。
村から超新鮮な卵(ナイロビの規格品とは段違いのうまさ!)を
手に入れてきたので、ラクダミルクとともにカルボナーラを。
ラクダミルクは若干くせがあるだけれど栄養価が高い。
これでシリアルは厳しいんだけど、ま料理に使う分には平気。

ということで今日も私は元気です。
早くこの軟禁状態を脱却してフィールドに出たーい!

at 18:24|PermalinkComments(2) 衣食住 

2008年10月24日

殺人予告リスト

またも緊急避難の気配。

今、TFG(暫定政権)を支持するソマリ軍がWajidに攻め込んでいて
(ここは通常”反政府勢力”であるICUの管轄下です)
うちの機関で働くスタッフにもけが人がでた模様。
ここ一ヶ月で実際うちのスタッフが南ソマリアで
2人殺されていて、アメリカ軍が空爆したというまことしやかな
うわさが流れたり、エチオピア軍が撤退するにあたり
(ジブチ条約の取り決めにより)、TFGだけでなく国内で暗躍する
数々の反政府勢力の動きが活発になっている。

こういう中でもあえて前線にいる私たちは
それなりに目立つわけで、それでも仕事が続けられるのは
状況もちゃんと掌握して、現地の勢力と”協力する”姿勢をしっかり
出しているから。それを考慮しないでTFGの下請けみたいになっている
某国際機関はスタッフを送り込んでも仕事ができないところか
襲撃をうけたり、誘拐されたりするそんな日常。

この反政府勢力を牛耳っているのが、
実は年端もいかない少年たちだったりするのだけれど、
生まれてこの方戦渦の中で生きてきて
人生に中和する経験値をもたない若造の暴走というのは
大人のそれよりも残虐で無情でもある。

スタッフが殺されたMerkaからは事務所長とセキュリティーを除いて
インターナショナルスタッフは撤退。
Wajidも今日これからインターナショナルはナイロビに緊急避難するので
南ソマリアに残るのはMerkaの最低限のスタッフと私と副代表オンリー。

最後の一人である隣町Wajidで働く
Medicalコーディネーターの友達と話してて

「俺さー殺人予告者リストに載っちゃったよ!」

という話になる。

目立つ活躍をするとすぐ脅迫リストに乗る国。
残念ながら(?)幸運なことにひよこちゃんの私はまだ
そんなブラックリストにはのってない

「うらやましいだろー」

・・・う、うらやましくなんか、ないぞ困った

こういう軽口を叩いていられるうちが華なんだよね。
厳しい状況で仕事をしていてもユーモアを忘れない心の軽さって
すごく重要だと思う。私もさ、十分きをつけはするけれど
別に深刻にどたばたすることなんてないのだもの。
どっちにいってもわからないのであれば
どっちにいっても変わらない。
どたばたしても事態が好転しないのであれば
どっしり構えてエネルギー温存するのが賢い選択。
で今日も週末だけど、出てきたスタッフと
セキュリティーの話をしたあとに、
アザーンがなるまでバレーボール。
で鶏の首があったので、トムヤンクンを作ってみた。
でちょっと、いつ緊急避難の話があってもよいように
身辺整理をしておく。

だってね、原理主義者が入り込んできて
バカルディの空き瓶とかコスモポリタンの雑誌とかみつけられたら
やばいでしょー。←重要ポイントはそこか?

明日からうちのスタッフを現場に送って
いろいろ調整する予定だったのだけれど、練り直しです。
ただね、こういう混乱の中でも、というか中だからこそ
食糧をちゃんと届けないと、という思いはあるのです。
どんぱちやりたいなら、私は止めないけど
食糧届けさせてね。It is for your people。
という当たり前の大義名分が通らないのがここ。
名誉市民になって表彰されようとは思わないけれど
「殺人予告リスト」に載るくらいちゃんとした活躍をしよう、と。

冗談ですって、ほんとに。


at 13:11|PermalinkComments(2) お仕事 

2008年10月23日

女の壁

うちのオフィスには21人のスタッフがいて
そのうち女性は4人である。(私含め)

私以外は社会人経験もまだあまりない学生でたて、
みたいなかわいい彼女たちであるが
最初、面接や顔合わせをしたときには
ベールで髪の毛隠していただけなのに←これはスタンダード
先週帰ってきてみたら、顔をすっぽり隠して目だけだして仕事をしている。

「あらーかわいい顔を隠してもったいないじゃない。ださなくちゃ」
と冗談めかしてハッパをかけて(?)みたものの
周りの男性同僚がガハハと笑うだけで、
あとから考えたら「それって私セクハラ?」な気がしてきた…

まいこちゃ~ん(仮名)もっときれいな脚みせたほうがいいよ、
みたいなこというハゲ課長。ええ、私?

郷に入っては郷に従えってわけで
しょうゆは持参してきてはいるものの
職場ではちゃんとアバヤをきて、
ただのスカーフだけでなく
ちゃんとテルテル坊主みたいにして
頭のてっぺんからつまさきまで
身を処している私ではありますが
1ヶ月して帰ってきてみたら、いきなり女性陣が顔を隠して
”お忍び!”みたいな様相で仕事しててびびった。
おいおい、どうしたんだよ?

野球帽かぶってたり
サングラスして仕事していたら
「そんなんは仕事中は脱ぎなさい!」って一喝できるけど、
こういう文化とかジェンダーに絡む行動を指摘するのは
ちょっと気をつけないと、センシティブでしょ?
ミニスカートはけって命令するのとは
もちろん違うわけけれど、彼女たちにしてみれば
だんだんと増えてくる男性同僚に気兼ねして
「やっぱり隠そう」ってことにしたのかもしれないし。

うちの男性陣は比較的進歩的なので
絶対に女性同僚に向かって「おまえ、顔隠せよな」とは
言ってないはずなのだ。

この男女の境の微妙な対応ってのがなかなかまだ読みにくい。
こちらではたとえばICUのマネージメント陣は私とは絶対握手しない。
非ムスリムとはしないってのもあるし、
女性の手を握んないってのもある。
うちのスタッフやカウンターパートでも、
ケニアで教育うけたソマリア人は握手をちゃんとするし
そうじゃないと手首を出してくる人と
(どうやらこれは”手を握っているわけじゃないから
罪にはならないし、相手にも失礼にあたらない”という解釈らしい)
最近は調子に乗ってハグをしてくる輩もでてきた。
(私とユスフや副代表は普通にしてるので)←彼らもムスリムですが
だから初めての人に会ったときにお互いがきまずい思いをしないように
「えーと手を出すべきかいなか」ってのをすばやくよみとらないと
いけないのだけれど、
そんな私の迷いをよそに、かわいこちゃんたちは
お忍びなすがたで粛々と仕事をしている。

表情が読めないと仕事しにくいんだよねー。
ミーティングで面白いこといって笑いをとってみても
女性陣は笑ってんだか笑ってないんだか
黒いベールから目だけがぎょろぎょろ見えるので
ちょっとたじろぐ。

今日から、オフィス内でバレーボールコートを設置して
カウンターパートやスタッフとバレーボールをはじめた。
みんななかなか運動神経よくて、ちゃんとサーブもレシーブも
しっかりしてて、ゲームも盛り上がる!!

・・・でもね、やっぱり女性陣はそそくさ帰っちゃうのだ。
こういうのは”強制的に”やらせるものでもないし、
私も誘ってみるのだけれど、彼女たちの反応はめっぽう悪い。
嫌がってる、ってんじゃなくて”興味がない”のだ。
まー確かにアバヤ(全身テルテル坊主)で汗臭い男の子たちや
外国人と一緒にバレーボールはやらないよね・・・
こっちの女の子たちは!
これからどんどん外にでていかないといけない
優秀な彼女たちなわけだから、敬虔なムスリムであるのは
全く構わないのだけれど、ちょっと自分をExposeして
もっと気楽に自己主張して楽しむすべを身に着けないとね、
と先輩としては思うわけ。先輩っつったって、10は違わないぞ、きっと。

私はまださすがにショートパンツははけませんが
ジャージの下にTシャツで、フレッシュな格好でバレーボールしました。
「You look good!」ってスタッフもにこにこしてくれるんだけれど、
厳正なイスラム教って、心のあり方をどうこういうもので
”男の子とバレーボールをしちゃいけない”とか
”顔を隠さないとだめだ”とか
言ってないと思うんだよね。

イスラム教をもっと勉強しなければ!
スタッフの心をつかむには
ソフトアプローチとハードアプローチ両方必要。
どうしてそうなるのか、の心を知らないとアプローチも練りにくい。
ハードルが高いのは圧倒的に女性なのです、残念ながら。
こうやって一緒にスポーツしたり、ご飯食べるとどんどん仲良くなって
仕事もしやすくなるわけだけれど、徹底的に距離をおく
若い女の子たちをどうひきつけるか。

ナイロビのソマリア人だとまた違うんだけれどねー
一緒にごはんも食べに行くし、買い物もいくし、
ただ、ソマリアソマリアの女の子にしてみたら
こんなおきゃんで(←死語でしょうか)はすっぱな事務所長だと
実はやりにくいのかも、とも思わなくもない。

思案どころだなぁ。

at 23:08|PermalinkComments(7) お仕事 

2008年10月21日

各駅停車で遠足にでかけよう

30度を越える中、かぶりものと長袖で
野外サウナと化している午後のソマリアより、
Buenos Tardes!

なぜ今更ぶえのすたるですなのかというと
今度の昇進に直接かかわるのです。
いや、国連公用語二ヶ国語できないとだめだよ
ってのは前々から言われてたんだけれど、でもまぁ
履歴書的にはできることになってるし(←詐称)
どっちにしても、今の私じゃねーとヘラヘラ放置してたんだけれど
具体的に、「スペイン語ができたらどうにかなる!」な
光が差してきて、思ってもなかったものだから、多少動揺しつつも
「それならば!」と本日よりまたスペイン語再開したところ。
テストは5月。まだ半年以上あるしキラキラ
どうにかなる!どうにかする!
あーちゃんとやっときゃよかった、な後悔は
いつでもでてくるものです。
ま、昔やらなかったんだから今やるしかない。

いや、こうなったら勢いでフランメンコ留学でもして
情熱的でスパイシーなラテン男と最後の恋に落ちて
がっつりスペイン語マスターするか!
とかドラマティックな計画たてられたらと
爪のあかのへそのごま分くらい思ったりもするんだけれど
出会ってしまったのが純粋でナイーブなデン人で
ソマリアでの仕事もめちゃくちゃ楽しい
今の人生のどの要素も、魅力的ではあるんだけれど
つぶしがきかない特注仕様になっている。
人生、なかなか思い通りにいかないものないものなんだけれど
だからまぁのりしろが広がっていくわけだ。
ひたすらレールに沿って急行でいけちゃったら
秘境にもぶつからないし、
各駅停車で思いがけない出会いがあったりもしない。

ソマリアでスペイン語勉強ってなんか
とんかつやでスパゲティ食べてる感じなんだけど
こうなったら、エンリケ・イグレシヤスでも聴きながら
無理やりラテンモード盛り上げてやるしかない。

ソマリ語1時間、スペイン語2時間な日々。
これからどこに向かうのかいまいちはっきりしませんが
オプションを限りなくオープンにしておくために
日々のエネルギー投資は惜しんではいけません。
安泰な老後のため、というより
より人生の沸点を高く保って登りゆくための遠足準備。
おやつは300円より多くても大丈夫です。イエイ。

それにしてもここ数日蚊の量が多くてびびる。
耳元でぶんぶん言うから叩いたら3匹まとめて
ハットトリック、とかそんな状態。マラリア心配。


at 20:48|PermalinkComments(2) ワタクシゴト