2008年01月

2008年01月31日

乙女の素顔

一月末日楽しい一日でした。

昔々の友達がみつけてくれて連絡くれたりとか
しばらく疎遠になってた友達がみてくれてたりとか
後輩から「やる気でました!」なメールがきたりとか
恩師から激励がきたり、嬉しいこといっぱい。
テレビってやっぱりすごいわ。

有名人になりたいとか
美人女優に転向したいとか←無理
その路線の野望がない自分にとっては
公共の電波にぽーんと乗ることで
自分が普段地味にコツコツやってることに
リアルでクールな反応が返ってくるのが
素直に一番嬉しい。

別に誰かに認めて欲しくてやっている仕事じゃないけれど
やっぱりそりゃ認めてもらえたら嬉しいね。

「みおって何やってるの?」と
言われ続けてましたけど、
なかなかねー一言で伝えきれないお仕事だったので
こういう機会をいただいて、感謝であります。
よくカポエタまできてくれたよ?!ですよ。
これはもう本当に、自分のやってることがすごいから、ではなく
さまざまな人の思いや尽力が重なって
可能になったことなのだと思う。
ま、奇跡といったらちと大げさだけど、でもそうでなかったら
日本の電波にカポエタなんか流れないって。
で、これを見てきっと
アフリカに興味をもったり
援助業界に目をむけたり
そうか!こんな仕事もあるんだとか
日本の若い人(ということにしておいてください)も頑張っているんだとか
そういう新しい上向きな思いがいろんなところから生まれて、
誰かの人生がちょっとだけ変ったりする
そういう積み重ねって侮れない。

そもそもワタシがカポエタにきたことも
日本の援助がちゃんとこういうアフリカの僻地に来てることも
メディアが来てそれを知らせることも
さまざまな思いと因果が引き起こす「必然」だ
と私はいつも思っているのだけれども。

WFPの広報、スーダン事務所
ワタシのことをブログで書いてくれたサンビナスのおばさま
宣伝してくれた友人のみなさま、見て感想を送ってくれた人たち。
4週間、みっちり炎天下のもとでお仕事していった
メディアクルーのみなさま。
テレビの人間ってもっとちゃらちゃらしていると勝手に思っていましたが
どうしてどうして、芯の通った男気のある職人集団でした。
改めて、感謝します。どうもありがとう。
まぁもうそんなに私にテレビが密着する機会もないでしょうけれど。
邦人、戦地で誘拐!とか洪水で流されて行方不明とか
そういうシナリオならありそうですが・・・
そういうことあったら
番組のダイジェストが流れたりするんだろうか。(←無駄な妄想)

おかしかったのが
インターネットのテレビ欄チェックしてて
女二人灼熱大地を駆ける番組の”要約”が

「スーダンでの国際支援活動」
・・・間違ってないけど、全然出汁がきいてない要約。
岩波新書じゃないんだから、もっとテレビ的なポップで!な
まとめにならないものなのか。

爆笑したのがニフティのこれ

「食糧配給にかける乙女の素顔」

お、おとめ!!!!!ワタシ?!
こんなんだよ?





at 22:49|PermalinkComments(7) お仕事 

2008年01月29日

爆撃予告

One of the bestの休暇でしたー!
いやーよかったよかった。本当によかった。
今もまだ夢をみているようだよ。
27日は日本人のおじさまのご自宅で
さばの味噌煮と牛肉ごぼうとゴマ豆腐と具沢山の味噌汁と
〆はあんみつという完全無欠な日本食でおもてなしをしていただき、
28日はジュバでパーティー。
帰りに車を逃し、ソマリア系ケニア人のシャイでイナセなパイロットに
部屋に泊めてもらうというアバンチュールな最終日を終えて
(↑別に何もありませんけど。)
本日カポエタに戻ってまいりました。

さて、4時間かけてe-mailを落としおえて
これから雪崩除去作業に入るわけですが
ここで告知があります。

みおテレビデビュー!

いや、細かく言うとデビューではない。
昔、空港でNHKのインタビューとか
ピーコのとなりで昼のワイドショー15分とか
出たことはあるけれど(ネタ)
こんなに長くブラウン管に登場するのは初めて。

放送は2月3日(日)13時55分~14時55分
フジテレビから放送(関東ローカル)。
ザ・ノンフィクション”女二人 灼熱大陸を駆ける”です。
eb179864.jpg


この大陸を駆ける二人のうち、一人がワタクシなわけですが
職人気質のこだわりおやっさん(←イメージ)なプロデューサーが
計4週間もこんな世界の端っこみたいなカポエタに滞在して
(村にも泊まっていたし)
”質の高いものができた”と豪語するので、
きっと面白いものができあがっているだろうとおおいに期待。
7%心配。余計なこと口走ってないといいのですが。
・・・といってもリアルタイムで私は見られませんので
どなたかごらんになったらこっそり感想教えてください。

美しく撮れていることを願いたいところですが
一回インタビューのあとに鏡見たらマスカラがとれてて
うわ困ったというときがあったり
すっぴんとかシャワーの後とか
犬が寝てるところとか
いろいろ「え!こんなとことるの?」な場面も撮っていましたから
これをみて、「ぜひうちの事務所に」とスカウトがかかる
心配はするだけ無駄でした。アーアキャリアチェンジ狙ってたのに(うそ)

なにはともあれ
リアルなカポエタと私の愉快なスーダン生活が
お伝えできるのではないかと思います。

ちなみに、1月31日の朝の「とくダネ!」9時前後にも
登場するそうなので(こちらは全国ネット)
朝の情報番組をご覧になれる余裕のある方は朝からどうぞ。

ということで、私はぼちぼち現実世界に戻ります。
玉手箱を開けたらどばっとe-mail。
ぶっ飛ばしたので、楽しかったけれどちょっと疲れたわ。



at 23:49|PermalinkComments(18) ワタクシゴト 

2008年01月28日

素晴らしき哉、人生

一冊の本や
一回の出来事や
ひとつの言葉や
ひとりの人との出会いが
人生を変ることがある。
普段の生活にも、街角の電柱の後ろにもそういう瞬間は転がっているけれど
旅に出ると、心が解き放たれている分、
そういう場面に出くわすことが多くなる。

自分の人間としての土台の部分は
日常生活で培われてきたものがほとんどだけれど
人間としての味わいの部分は
19歳からの旅や世界への露出によって
そろりそろりととどまることなく熟成している。

劇的に、ではなくて
心にぷすりと穴をあけて
その穴の周辺からそろりそろりと侵食する
生ぬるい感触と心地よい衝撃

腐ることもあれば、よみがえることもある
出会いの妙

1週間が何年もに感じる
感性が拡張すると
時間が伸縮する

時刻表や時間割なんかの
規則正しい時計の針とは別の
甘く伸びる時間
重く広がる空間

一週間前には他人だった人たちが
自分の人生にはっきりと足跡を残していく。
そしてこれからの人生で
一緒になにかやらかしたい
そんな気持ちになってくる。
それは錯覚でも夢でもなくて実感。

世界は昔より格段につながりやすくなってはいるけれど
心ががっつり通じ合う、そういう瞬間をいつまでも大切にしたい。
出会えた人全てと友達になるわけではないのだし。

今回の旅の成果:
ダイビングのアドバンス:世界のどこへでも潜れるパスポート
海の青さと広さ
いるかと海亀、竜宮城みたいな魚の群れ
東野圭吾「悪意」と村上春樹の短編集
At last and at most、ジャスパー、デニス、トリスティンとキヤン。リサとポール。
私の人生に、彗星のごとく現れて太陽のように居座るいとおしい人たち。


53d1759e.jpg










at 23:31|PermalinkComments(0) 旅の記録 

2008年01月26日

最後の晩餐

今日は朝久しぶりにのんびり起きて、(しかも昨日12時前に寝たし)
太陽が燦々と輝く中、海沿いのレストランで普段の宴会部+アイドル5歳児の
組み合わせで朝食。

空気がすがすがしくって太陽もかーっとまっすぐで
時間が透明で、なんかうまく言葉にならないけれど、
とにかく幸せっていうのはこういうもんだー!な
実感。

途中、ベドウィンの物売りの小さな女の子たちがやってきて
5歳のキヤンとバックギャモンをする。
キヤンはおとといパパにバックギャモンを習ったばかりなのに
天才のさいころ運で、並み居るバックギャモンプレイヤーをうちまかし、
この2日ですっかりプロ並の集中力を発揮している。
パパはうしろからアドバイスするんだけど
「いいんだよ、これで」で勝ち続けてしまう脅威の5歳児。
子育てってのは面白いなぁ。子供のいないうちらは
「キヤンみたいな子供がほしー」と大騒ぎし、
気まぐれな怪獣にてんやわんやのトリスティン(パパ)は
もってっていいよ、と余裕をかます。

私が一緒にいる友人たちに「かーこいついい奴だなぁ」と思うのが
こういう物売りの子たちが来ても邪険に扱ったりしないで
ちゃんと小さなお客様として、すごく愛情をもって扱うところだ。
女の子たちが来たら、自分の席に座らせて自分の息子とバックギャモンを
させるトリスティンもそうだし、
徹夜明けの朝に、ベドウィンの女の子たちに囲まれたときに
ジャスパーが一人ずつから小さな腕輪を買ってあげて、
私の腕に巻いてくれたときも
「この人、あなたのワイフ?」と聞かれたときに
すっごいいい笑顔で「そうだよーワイフだよー」なんて冗談をとばし
ベドウィンの女の子たちが「がっかりだわー!」なんて
大騒ぎする。
こういう、小さくても確かな愛が溢れている空間というのは
人を素直にする。やさしくする。

地元の男の子たちとサッカーをやって、
ゲストハウスの従業員たちも入れて夜遅くまで語る。

金の持ってる観光客VSエジプト人の従業員(もしくはベドウィン)
という観光地にありがちな構図に陥ることなく
自分の楽しい時間に、外国人、現地人関係なく巻き込める
能力ってのは、すごくいいなと思う。
私もそういうフェアな人間でありたいと心から思う。
ここでいう「フェア」ってのは、深遠な思想とか理想とかそういう
レベルでの”あるべき”なんとかとか”人間の権利”とかじゃなくて
単純に、ここで会ったやつ、全員で楽しくやろうやーというスタイル。
楽しい奴は、最強だ。

自分たちが楽しむだけじゃなくて、そこにいる誰もが楽しめる。
これは誰もができることじゃない。
学歴じゃなくて、肩書きじゃなくて
人間として「いけてる」こと。
違った他人ががんとうけとめられること。
そして自分が自分であり続けること。
そしてそこに調和があること。

今日はうちら宴会部5人で
ゲストハウスで従業員のかわりに料理をして
みんなをもてなすことにする。

日本の前菜
ドイツのメインディッシュ
デンマークのデザート

私が最後のダイビング宿題を仕上げている間に
はだしのデニスが大きなビニール袋を何度もさげて
買出しをする。デニスのこの野生ぶりがいい。
ものすごいいい笑顔をするのだ、彼も。
イスラエル人とオーストリア人の仲間も参加して

夜は実に30人分の大宴会!

私は前菜担当だったのだけれど、
ポテトサラダときゅうりの中華風(日本じゃないし)を作り、
あとはライスプディングにかけるイチゴジャムを作る。

みんなでわいわいいいながら台所を占領して
じゃがいもをつぶしたり、ライフプディングかきまわしたり
いちごのヘタとったり、その間をポールとリサが写真を撮って
みんなでわいわい言いながら、最後の晩餐準備。

本当はシナイ山登ろうと思ってたんだけれど、
山はなくならないから、次にする。
今はこのせっかく会えた友達との時間を大切にしたい。
休暇にきてて、30人分のしゃがいもつぶしながら
なんだかすごく温かい気持ちになるのでした。

夜12時のミニバスへカイロへ。
なんだか最後、ぐぐっときちゃった。
いくらハグしてもハグしきれない溢れる気持ち。

今までずっと一緒にいた彼らが
明日から全くいなくなると思うとすごくおかしな感じ。
たった1週間なのに、もう何年も一緒にいたような気がする。

サヨナラだけが人生さ、
いやそんなことはない。サヨナラは次の再会の助走。
きっときっと会いましょう。

at 23:59|PermalinkComments(0) 旅の記録 

2008年01月25日

竜宮城にいってきました

ティラン島へボートダイビングに行ってきました。
前日は2時半まで飲んで、
そのまままた朝まで爆走したい勢いだったのだけれど
朝6時出発だったので、ちゃんと寝る。
久しぶりに“遠足”な気分。
隣のベッドで寝てるジャスパーの目覚ましでばっちり起きる。

ティラン島は、ダハブから車で約2時間、シャルムから
ボートに乗り、そこから1時間もすればつく海の真ん中。

もう何本ももぐったので海の深さも広さも怖くはない。
透明度の高い海の中をBCGの空気をぬきながら
そろそろともぐっていく瞬間が
結構好きだ。いよいよ、潜るのだ!という気持ちになる。

魚の名前がわからないのが残念だけれど、
色鮮やかな魚や両手を思いっきり広げてたよりも
大きな珊瑚がいっぱいあって、
まさに

竜宮城!!
7091e065.jpg

198c51dc.jpg


亀もいましたよー。
悠々と泳いでまして、
興奮しちゃったもんで最初の5分で膨大な量の酸素を使ってしまう。
ありのままの自然っていうのは、
とても心を躍らせるものなんだわ。

心が躍るといえば、1本目と2本目の合間に船の近くに
いるかのおやこがでて、船と併走して泳いでいきました。
そのかわいさと可憐さに脱帽。
途中で、鴨川シーワールドのいるかショーのように
ぽーんと自ら飛び出て、トリプルルッツじゃないけど
空中で回転するいるかもいて、
本当にサービス心旺盛な野生のいるかにすっかり
心を奪われました。

幸せ!

明日、撮ってもらった写真をアップします。
今日はもう部屋まで写真のCDをとりに帰るのがめんどうなだけ

夜は初めて、日本人宿の2人と韓国料理を食べに。
今週はどっぷり宿の同居人たちと時間をすごして
せっかくダイビングショップがある日本人宿の人と仲良くなる
暇がありませんでした。
別に距離をおいていたわけではないのだけれど
あの日本人宿の独特の「部室」な空気が
私にはもうパッカー時代の過去のもの、という印象があって、
なんだかどかんと入っていく気になれなかったのだわ。
みんないい人たちだったのだけれど、
部活でもう卒業した先輩が部室にいって
誰一人知っている顔に合わないような、せつなさと気まずさがあって。
そんなんで最後だけれど、一緒に韓国料理食べて
若い人たちの(この言い方嫌だな笑)旅の話を聞いたりして
いつもと違う夜になりました。楽しかった。
プルコギと白いご飯、涙をさそううまさでした。

宿にもどっていつもの5人で今日もビール。
今日はオーストラリア人のロブも一緒。
新しい人が入って、今までいた人が去って
引きとめも追い出しもしないけれど
毎日違う色になる夜の宴会。
毎日膨大な量のビールを消費している。
ホリデーとはこういうものだ。


at 23:35|PermalinkComments(0) 旅の記録 

2008年01月24日

世界の海に潜ろう

アドバンス最終日。

今日はキャニオンとブルーホール

紅海、ダハブの二大名所を潜る!
もう5本目ともなれば、潜るのも大丈夫。
途中、呼吸の調節がうまくいかなくて
沈みすぎちゃったり、上にあがっちゃったりはするものの
ダイビングは「海に圧倒されなくなったら」
どんどん上達していくように思う。

海の中は広くて深くて正直怖いこともあるけれど
潜ってしまえばその青さに圧倒されて
自分のちっぽけな感情にのみこまれている場合じゃなくなってくる。
雑念が海にとけて、1時間の200リットルの酸素が終わるころには
頭も心も精神もすっきりして、陸上にあがっていける。

あー世界の海を潜りたい!そう思う。
陸上も面白いけれど、海の中もすごくすごくいい。
さまざな生命体が人間に邪魔されることなく悠々と存在する
その場に居合わせて、なんだかとっても崇高な気持ちになれるのは
海に潜ったものの特権だ。

岩の中をするすると30m降りていったり、
珊瑚にまとわりつくカラフルな魚がまるで竜宮城のようだったり
海の中にいると真摯でまっすぐな気持ちになれる。

これから少しずつ休日を利用して、世界の海に潜ろうと思う。
理屈じゃなくて、肌と体で感じるところ。
母なる地球に抱かれる、ってのはたぶんこういうことを
言うのだと思う。どこまでも温かで、いつまでも静かで。

55adb695.jpg




at 23:25|PermalinkComments(0) 旅の記録 

2008年01月23日

満月のダイビング

今日はそんなわけで徹夜明けだったわけですが、
海ってのは不思議とパワーが充電するところだわー。

午後に海に潜ってすごく疲れるかと思ったら
逆にすごく覚醒して、おなかがすいてしょうがない(←これは覚醒とは無関係かw)
横になってみたけれど、昨日の夜のこととか海の中の真空管な感触とか
いろいろ頭に浮かんできて、
雑念というか思いがかわるがわる頭にpop upしてきて日記を書いたりする。

夕食前にコフタ(ハンバーグみたいにひき肉のだんご)と
なすのサンドイッチを平らげる。
おなかが全く空っぽになってしまったかのようにごはんがずんずん吸収されていく。
日本人の女の子がこんなに食べるとは思わなかったよ、と宿のおにいちゃんが
感心したようにいう。

そして6時半に戻って、今日はマシュラバでナイトダイビング。
まんまるで黄金に輝く満月をみながら、夜の海に潜るのは
なんだかとっても神秘的。
水の中は昼間と違って暗いのだけれど
満月の光を吸収して、やわらかい光を放つ。

いかにも毒がありそうなオレンジ色のビロビロの魚とか
いぼがぼこぼこある不機嫌そうな魚がいる。
昼間に見る無邪気でカラフルな魚とは違う夜の世界のラインアップである。
途中、ライトを15分くらい消して、プランクトン?がきらきら光るさまを
堪能する。蛍のように、手や足をふりまわすと小さい光が体をさーっと覆う。

無音の世界で、煌く、小さな小さな生命の運動場。
水の冷たさが気にならない、時間の止まった瞬間でした。

戻ってから宿でBBQを食べて、
ジャスティンとハリーポッターと地元の男の子たちと
サッカーをやりにいく。夜の11時すぎてから。
アラビア語しかしゃべらないエジプト人の男の子たちと電話番号交換して
個人プレーが多いエジプト人にやきもきするジャスティンを笑いながら
胸がつかまれるような神々しい満月に包まれるのでした。

まだまだ朝まで続けそうな勢いのエジプト人プレイヤー。(タフ!)
3時にはお開きにして、おなかがすいた私たちは寝る前にピザとコカコーラ。
充実感これ以上感じる日なんてそうそうないだろうなぁ。



at 03:11|PermalinkComments(0) 旅の記録 

2008年01月22日

諸氏完徹

ゲストハウスのゆるい連帯感というのは
旅の醍醐味だといっていい。

世界各国からやってきた年齢思想外見組み合わせさまざまな人たちが
ともに一時の時間を共有する人生の交差点。
5スターな快適さはないかわり、高級ホテルにはありえない
生まれるドラマといろいろな人のつくりだす色彩と温度がある。

誰に会うか狙っていくわけではないから
そこで会える人はある意味、ロシアンルーレットだ。
大玉に出会えれば旅は俄然面白くなるし、
他人と交流したくないつまらないカップルなんかが隣になっちゃったら
それははずれだ。

昨日の飲みも勢いがよくて楽しかったんだけれど
今日のは更に上を行く勢いで
朝の9時までノンストップで飛ばしてしまった。
アイルランド人の酒豪は、まさに”酒豪”と命名するのがぴったりの
大男。彼のつれているスウェーデン人の彼女はお人形のように
かわいくて彼氏と違って控えめでドレッドで低いハスキーボイスでしゃべる
私のハートど真ん中うちぬきの好みの美女。
昨日盛り上がったジャスティンティンバーレイク似とハリーポッター似の
デンマーク人の二人組。食べちゃいたいほどかわいい男の子(5歳)連れの
ミックジャガーみたいなドイツ人のパパ。
子供と彼女が寝たあとに、ウィスキーとウォッカとビールと
たばことマリファナ(これって書いたらまずいかしら。ま、こういう場所では
普通にあるものですけど。ハードドラックじゃないしね)
全開で、5人で朝まで飲み倒しました。

日本人の君にずーっと聞いてみたかった質問があるんだ

で何がくるのだと思ったら

「忍者というのはなぜ水の上を歩けるのか?」という質問がきて笑う。

アレは丸い水の抵抗をうけられる特別な靴があるのだという
ハリーポッターを制して、
いや、水の上を歩くには、それは”気”を使わないといけないのだ
ともっともらしく講釈する日本代表。

それがなんだか最後は輪廻転生とか日本人の美学とか
そんな方向に話が飛んでいって、飲んで酔っ払ってる暇がありませんでした。
夜がどっぷりふけると話題はどんどん深くえぐられていく。
こういう質問したら失礼かな?とかそういう初期のレベルをぽーんと超えて
気がつけば、女に求める大条件とか過去の冒険記とか
家族の事情とか、昔からの友人のように暗部をいろいろ把握する。
過去を共有すると、現在が健やかに始められる。

毛布をかぶってにせもののシーバスリーガルを片手に
ありとあらゆることを大声で思いつくまま語りあう
この不毛な青春時代。
こういういとおしくも後から思えば笑っちゃうような
そんなシーンがいくつもあるから
人生は面白くなるのだと思う。
酒もタバコもマリファナも音楽も、
自分を堕落させるためでなくて
自分を解放させるために、
相手を理解するために、
覚醒させてくれるひとつのスパイス。

朝がきて、周りにいる人に愛と感謝を感じられて
太陽が気持ちがいい一日が始められれば
私はそれでいいと思う。

今日はそのまま、太陽の下で
ハリーポッターと本を読みながら
昨日壊したビタミンCを補給して
午後からダイビング。

こういうエネルギーが次々湧き出てくるときは
立ち止まらないでどんどん進む。

at 23:59|PermalinkComments(0) トモダチ関係 

2008年01月21日

その時ハートは盗まれた

盗まれたのは
・・・ハートじゃなくて、Ipod。

がーん困った
公共のスペースにそんなファンシーなもの置いておいた私が
100%悪いのです。あーあ。

しかし、今日は楽しい日でした。
めちゃめちゃ寒い紅海で初ダイブ。
「ニモ」みたいなかわいい魚とか
緑に発光する宇宙な魚とか
フィリピンで買ったマグネットみたいな魚とか
金魚とか、ひょっとこみたいな顔した魚とか
いろいろいて、癒されるわー。

海の中の無音状態が好きです。
無限大の広がりと悠々と泳ぐ魚の群れの中に身をおくと
雑念が海に溶けていくよう。究極の精神デトックス。

私のダイビングの師匠は年下の日本男児ですが、
「自分の子は日本でちゃんと育てたい」と
断言するあたり、筋が通ってて
熱い感じの大阪野郎です。
海の男にあるある種の軽さと芯の強さとが
いい具合にブレンドされてて
ああ、このインストラクターには
任せても大丈夫だなと
10分の会話でなんとなく感じる。
こういう怖いことするときに
指導してくれる人はちゃんとレスペクトできる
人であってほしいから。

午後からはゲストハウスでおしゃべり。
ゲストハウスのエジプト人従業員ら
次々部屋にやってきて、なんやかんやと世話をやいてくれます。
町で歩いていても道端のカフェで一人でお茶していても
誰かしら何かしら来てくれる
一人旅の女の子っていうのは
確かに危ないこともありますが
断然「お得な」ことが多いのが現実。
自分でちゃんと一線をもっていれば
あとは寄ってくる男たちをちゃんと選り分ければいいわけで。
まつげなんかマッチ棒が乗る勢いで長い彼らが
砂糖3杯分の紅茶のように甘い言葉が吐くのを
夢見心地半分、ギャグ半分で聞くぐらいがちょうどいい。
ってかね、1ウィークホリデーで恋をするほど
もはやナイーブではありませんが
といって、一人でいって一人も男の子が寄ってこなくなったら
それはもう「女として終わり」な気がしなくもない。
というかすでにナンパをしてくる男の大半が80年代生まれで
あることに若干危機感を覚える70年代。Proudly.
別に、年齢ごまかそうとか思わないけれど
23歳の男の子に、飲みにいこ♪と誘われて
気後れとは違う、「いいのかね」な気分になるよ。
「Don't be shy」とかいわれて、←幸せな勘違い
微笑んでしまうのは、苦笑だったりするわけで。

さて、今日はデンマーク人と韓国人と日本人とアイリッシュと
インディアンとアメリカ人のグループで夕食後流れで飲み突入。
デンマーク人の25歳、ジャスティンティンバーレーク似のよい男。
「僕は特別な才能があるわけじゃないから、キャリアのある
Well paidな女の子をみつけて、家で僕が子育てしたり
料理したりするのが目標」と断言。

いや、確かにヨーロッパ人カップルはそういう男も多いですが
最初っから自分のキャリアをどうこうして、あとはパートナーの
女の子と相談しあって、”妥協して”男が家に入るケースは
みてきたけれど、こんな若いうちからそれが”目標”と
言い切ってしまうのは「新世代」な感がある。

「だって、子供ってのは最初の数ヶ月は母親といるべきだけれど
あとは父親だって十分できる仕事だよ。」

「でもさ、家族は男がリードすべきとか
守るべきとかそういうポリシーないの?」
デン「この時代もう、男が女がとかそういう問題じゃなくて
やれる人がやればいいだろ。いい生活をしたいから
僕は能力の高い女の人をみつけるんだ」

カーン

私ってもしかして思いっきり古いのかもしれないわ…
久しぶりに目のうろこがはがれる会話でした。

デン「それにね僕は料理がとてもうまいんだよ」

クラブでウェイターとして働く彼、
仕事は楽しいけれど、それで家族を養っていけるわけではない。
自分の能力は”誰かを支えること”と”場を和ませること”
ハンサムだし、気立てもよい。
単なるヒモ体質というのではなくて、自分の才能を冷静に測って
やりたいこととどう折り合いをつけようかというひとつの結果が
上記なわけですが、とても新鮮。
やっぱねー男には、別にWellpaidでなくてもいいけれど
自分が輝ける仕事をしてほしいと私なんかは思うけれど、
でも料理がうまかったり、掃除が得意だったり
そういう能力が高い人だったら、そうね、別に
男が稼いでこなくちゃいけないわけではないんだわ。

アイリッシュの男性も
「そもそも男も女も働いて成し遂げたいなんていうカップルは
子供なんか持っちゃいけないのだ」
なんていう。子供には親がちゃんと一緒にいてあげないと、
というのは共通見解なのだ。

なるほどねー、考えてもみなかったけど
自分の給料が十分あるんだったら
確かに本当に男に「経済的な」項目を求めなくていいわけだ。
なるほど。なるほど。だからってどうってわけじゃないですが。

でもこれで飲みに行ってもちゃんとすすすと支払ってくれる。
そういう「漢!」なところってやっぱり女だったら
譲れない部分だと思うんだけれど
お金を払うのが嫌なんじゃなくて、
やっぱり男と女が飲みに行って(食べにいって)
女がいつも財布出すのってやっぱりスマートじゃないと思わない?

いやー刺激的な会話だったわ。
と感心している間に、
気がついたら春樹の本と水のボトルの間においといた
Ipodが盗まれたのでした。
ま、お金でカバーできるものはなくしても
そこまでの痛手はない。

魅力的な出会いにはことかかない毎日ですが、
そうか、自分が気がつかない間に自分の間口が
がんがん小さくなっていたのかもしれません。

ま、別に相手探しにきてるわけじゃないし~

と余裕をみせる私に

「そんなこと言ってる場合じゃないだろ。
You should get good one soon」というアドバイスは
まさに的を得ているわけですが、
やっぱり私は、若くてかわいくて家庭を守ってくれる男より
ちょっとぐらい無骨でも、男の自分のテリトリーで
ガンガン戦える男がよいのだわ。
私は旧人類であることが判明。
今まで私は新人類だと思っていたのだけれど
それでも北京原人レベルだったのだ。
いまやネアンデルタール人級の現代人が出現している。
自分の感覚をちゃんとアップデートしないと!

3時半就寝。

at 23:53|PermalinkComments(0) トモダチ関係 

2008年01月20日

極寒アフリカと海辺の村上春樹

エジプトっつーのは
砂埃舞う、かんかん照りで
らくだもベドウィンも
ツタンカーメンも熱帯仕様である、
というのは神話である。

持ってきてよかったもの

セーター

ホリデー最初の観察日記

しもやけになった

そりゃ寒波が来てて明日は雪らしいという
東京からしてみれば、ここシナイ半島は”初秋”くらいな
もんでしょうが、
昼間40度越すカポエタから来ると
ここは真冬である。

極寒とアフリカというのは
相容れない組み合わせであるが、
極寒のアフリカで海をみながら村上春樹というのは
なんともぴったりなセッティングである。

彼の短編小説の
あの途中から始まってぐいぐいひきこんでおいて
Middle of nowhereにおいてけぼりにされる感覚というのは
この冬のアフリカの海辺に意外なほどよく似合う。
人がいるのにどこか閑散としていて、乾いていて
澄んでいる。

今日は朝ごはんを日本の青森にいたことがあるアメリカ空軍の
カップルと一緒にゆっくりとってから
韓国人の元医療機器営業のビジネスマンとベドウィンティーを飲み、
ダハブの海沿いをゆっくり歩いて、
海辺のカフェで村上春樹の小説を読む。
途中私と同じ年のエジプト人のお兄さんと今までの人生で
やってきた一番やばかったことで話が盛り上がり、
それからエジプト人と結婚して今は未亡人のスイス人の女性が
同席して「人生にはチェンジとチャレンジが必要なのだ」という
話を熱くする。
その後に、銀行で両替して、
そこで知り合った10年ダハブに住んでいる
というハンサムなドイツ人のおじさんとお茶を飲み、
それから一人で、「ダハブ一のシーフードレストラン」にて
おなかが破裂するかってくらいたくさんイカと魚スープとサラダと
ピタパンとごはんを食べる。遅めの昼ごはん。
それから日本人宿に行って、東野圭吾の「悪意」を読み、
明日のチェックダイビングの予定をチェックして
今、こうしてネットカフェでブログを書いている。

のんびりしてて、新しい人にもちょびっと会って
面白い話もできて、何より超新鮮なシーフードと
おいしいコーヒーとお茶とオレンジジュースが飲めて
ゆっくり海辺で村上春樹が読める。

最高に満たされている。
自分に足りないこととか、これからやりたいこととか
野望とかそういう項目はとりあえずおいておいて
今のここにいることに、ひたすらかまける。

明日はダイビング。150mの透明度なんだそうだ。
満月の夜はあのモーゼス十戒で有名なシナイ山に登ってこようと思う。
道で出会うと人が笑いかけてきて、
ごはんやお茶を飲んでいて目が合った人に
「どうぞ」といって同席し、お互いの人生を惜しみなく語る
そんな出会いがあるところ。
ダハブ、なんだかとっても好きになれそうな場所だ。




at 20:04|PermalinkComments(2) 旅の記録