2006年04月

2006年04月30日

現実当否

ある人にメールをもらいました。
で、どうやって回答しようかなぁと思ってたら
私と同じ誕生日の(年は違うんだが)友達の日記に
私好みの名文があったので
今回はそれを載せてしまうことにします。

・・・以下引用

さて、ぼくはどうしても海外に行きたい欲が消えない。
家族からは現実逃避と言われました。

現実って何ですか?
現実って、自分の夢に挑戦する事じゃないんですか?

それとも現実って、老後のことを考えて、結婚や子育てでかかる分の
お金を稼いでためることなんですか?

・・・引用終わり

人は二つにわけられる。
やる人とやらない人。

才能があるか、うまくいくかなんてわかんないけど、
それに「賭けてみる」心意気がある人だけが進むのだ。
大人の域に足を踏み入れても、熱いハートと
自由な翼をもってていい。

いろいろ考えることはあるんだよね、みんな。
私だって、自信満々な文章書いてるけど、
現実見たら、全然違うんだよ。でも、弱音をはかないだけ。
認めたくないから。
認めたら、そこから”そういう”現実が構築されちゃうと思うから。

できっこない
私には無理
こっちの方が妥当

目の前の現実が「そんなもの」なんて思っちゃダメだよ。
現実ってみるみる変わっていくのだから。
いや、変わっていくのではないな、変えていくのだね。
誰が?

君が。

4月も終わり、次の月に突入する。
今年もまだあと200日以上ある。
悩んで、立ちどまって、ボーっとしている間に
一歩進んでみたら、200日後にはきっとちがった風景が見えていると思うよ。


at 23:16|PermalinkComments(1) トモダチ関係 

2006年04月28日

誇り高きものたち

誰かと比べるのじゃなくて
うまくいかないことにむかつくのでもなくて

今、そこに君がいることがそれだけで
価値があるということを知っていい。

あえて言われないけれど
君を必要としている人がいて
気持ちのよい風がふく。
今日できることがあって
明日もしかしてできることがある。
それだけでいいじゃないか。

20キロの水タンクを頭に乗せて家路に向う
鮮やかな笑顔を魅せる女の子たち。

生活はラクじゃないけれど、
すれ違った人に笑顔を向ける
そんな心の余裕がある人たちがいるところ。

ニュースになるのはすさんだ事件ばかりだけれど
話題にならない小さくて温かな瞬間があるのは
アフリカだけじゃないはず。

Keep smiling!
笑う門には福来る、だよ。

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at 23:22|PermalinkComments(6) National Miographic 

2006年04月27日

桜散り嵐来る

仕事が∞。
明日よりローマからのミッションがやってくる。
何?ブリーフィング私がやんなくちゃいけないの?!

休暇から帰ってきたばかりで何も分かりませんハート

とはいかないのが、世の常。
小さいオフィスだから、全部やらされるのは承知の上だけど、
日本帰りホリデーぼけの桜散る頭に仕事の嵐が吹く。
昨日は風が強すぎて台所の屋根が飛んでった。(本日修復)
出たときは乾燥地帯だったのに、帰ってきたら川が3本もできてて
国連カーは泥水の中を勇ましく進む。
そろそろ雨期がやってくる、湿った匂いがする。

頭の中につめこんである甘い記憶の残骸が歪んで美化されないうちに
とっとと吐き出したいのだけれど、プライベートにメールを書く暇もない。
イーメイルの数がすごい。後ろから読んでもわけわかんない。
まるで、一日現場から離れると、感覚が鈍るのは芸術だけじゃないのね。

楽しい休暇の後に、シビアな現実。

ガンバレ若人。こうやって酸いも甘いも噛み分けた(表現合ってる?)
大人になっていくのだね。(遠い目で)

さーさ、仕事仕事。


at 23:33|PermalinkComments(0) お仕事 

2006年04月23日

玉手箱開封

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戻りました。アフリカに。
今回の日本は、ものすごく楽しくてものすごく疲れた。

帰りの飛行機、泥のように眠りました。
乾いた大地と鮮やかな青、目下に広がる雲を
ずーっとぼーっと見てました。
BGMに90年代のベストヒットの曲を選択して
SAY YESとか小田和正とか初期の宇多田とか
懐かしい甘さを覚える音を聴きながら、
少し苦めのカンパリを飲んで
昔のシーンをぼんやりと脳の中に転がす。
今まで出会ってきた人、がんばったこと、くやしかったこと、
忘れられない景色、親の一言、学校の行事、順不同でいろいろ。

どこに行くか何をやるか、よりも
誰とするか何を感じるか。
何を手にいれるか、よりもどう生きるか。
質ってある程度量も関係するけれど、
少しペースを落としてもいい時期に来てるのかも。
というより、ペースを落とさなければこれからの
課題は達成できないことな気がする。
仕事もしかり、人間関係もしかり、自分の成長もしかり。
がむしゃらにやればいいわけではないこと
いっぱいやればいいものでもないこと。

広い世界を見た後に、必要なのは自分の思考を深めること。
それでも久しぶりにいろいろできる場所にいると
やっちゃうわけよ。
行きの飛行機11時間で
「さゆり」と「電車男」と「プロデューサー」まとめて見ちゃうとか
旅館の豪華な朝食のあとに、しっかりケーキセットとか。
やりすぎ、やりすぎ。
よくしゃべったなぁ。

面白い滞在であったんで少しずつ反芻して展示します。
予定が大幅に狂って会えなかった人がたくさんいて残念。
番狂わせもあって、泣いたり、笑ったり、怒ったり。
必要以上にバラエティに富んだ休日になった。予定外。
浅草も行けなかったし、スーダンの石も結婚祝いのキリンも
渡せなかった。電話くれたのにかけられなかった人、ごめん。
世界のどこかでじっくり会いましょう。
道端で電撃的にばったり会って立ち話するだけでは、
全く十分ではない友情の数々。ありがとう。

また仕事に戻ります。次の竜宮城計画は8週間後。

at 22:28|PermalinkComments(3) 旅の記録 

2006年04月21日

有終の悔

最後の夜は、京都の3大有名旅館のうちの一つに泊まってみる。
巷の評判がよかった某旅館、
おいしい京風懐石が出て、雰囲気もよく、アクセスもいい
って泊まる場所としてフィナーレにして最高(値段も)
超期待大!!!だったんですよ。

それが、京都満喫して8時についたら


お食事は7時が最終でしたので、お出しできません







がーん困った


すんごいがっかり。
すんごい期待してた分、がっかりも大きい。
小田原二回いっちゃった新幹線はよいとしても
一生何度もこない有名旅館の夕食を逃してしまった。
「ごはん」って最大の楽しみじゃない?
ってか、ごはんって別にそれから作るもんじゃないんだから
うちの母さんみたいに、作って置いといてくれればいいもんじゃないの?
レンジでちん♪というわけにはいかないのが
老舗旅館のプライドなの?

むかついたのが、受付のおじさんが
こっちが何も聞いてないのに

「JTBを通してお申し込みですので、返金はできませんので」
とばっさり言ったこと。私、金返せなんて一言もいってないよ?

遅れてきた私達が悪いだと言わんばかり。まぁそうなんですけど。
旅館の食事の時間って決まってるものなの?
それって常識なの?
特にそんなの明記されてなかったんだけど
ホテルだったら、何時についたって大丈夫じゃん
と心底腹が立ったけど、
ここでワールドスタンダードを持ち出しても仕方がないのかな。
ここは日本の古き良き(かどうかはともかく)伝統が息づく場所。
一日中走り回ったあとに来るとこじゃないんだね。
のんびりと枯山水を楽しんだ後に、早めにゆっくり旅館に来いとそういうこと?

うーがっかり。とってもがっかり。
涙出てきちゃった悲しい

彼が
「一番大切なのは君といることだから。ごはんはどこでも食べられるだろ」
といってくれる。その通り。その通りなんだけどさ。
沸騰する感情が冷やされるのに、2時間かかった。

先斗町でまたごはん。川を見ながらの懐石料理を
食べたけど、考えると腹が立ってくる。で悲しくなってくる。
私の感情が七変化するのを見て、彼はゆっくり笑っている。
まぁよかった。
これで「おまえのせいでごはん食べそこねたんだ」なんて
言う人だったら、私鴨川に身を投げてる。(ウソ)

京都の2日目はそれでも、朝のお勤めを仁和寺でして(正座久々で辛かった)
妙心寺の枯山水、金閣寺、銀閣寺から哲学道歩いて法然院に立ち寄って
南禅寺でお抹茶を飲みました。京都の空気を存分に吸いました。
楽しかった。

もりもり歩いて、いろいろ楽しみたい若造と小娘に老舗旅館は早かったのか。
次の朝、ごはんのあとにお抹茶をもってきた女性がちくりと一言。
「本来ならついてすぐお出しするんですが昨日はお客様が遅くおつきになられたので」

すんごい感じよくおっしゃるんだけど、なんか感じ悪いんですけど。
おまえは常識知らずだととどめをさされるような。

旅館は早めにつくべし

勉強になりました。



at 23:20|PermalinkComments(1) 旅の記録 

2006年04月20日

即席坊主

箱根の旅館を大急ぎで飛び出し、8時37分の登山電車で
箱根湯本、そこから小田原まで行き、新幹線で東京駅着。

東京駅から10時56分の京都行き。

そうだ、京都に行こう編はじまり、はじまり~。

朝のんびりするヒマもなく、大急ぎで食べて
坂を駆け上がって、間に合ったのはいいんだけど、
東京駅から「こだま」に乗って、
ふと気づいたんだけど、

これって、小田原泊まるんじゃん!

だったら、東京からのチケット買ってたけど、小田原から乗ればよかったんだ。
だとしたら、ゆっくりあと1時間はできたのに。んもーと思ってたら、
彼が追い討ち

「あのさ、この新幹線、僕達が朝来た道、戻ってない?」

その通り!お目が高い!

・・・・・・・・・・・・・・・・・困った

完璧に計画たてたつもりで、完璧に計画通り行動したけど、
またも行動にムダがあった。新幹線代小田原―東京間まるまるムダ。
嗚呼。地図見てたのに、神経がそこまで行き届かなかった。
あーバカバカ。

ま、とりあえず京都にはいけるからよしとしましょう。
発想の転換が大切。
今回は、ぷらっとこだまの安切符をスーダンから
インターネット経由で買っておいたので
グリーン車なのに、正規の自由券より安い!
グリーン車のうちらの車両に乗ってるの、うちらとあと1人だけでした。

崎陽軒のしゅうまい弁当とビールを飲んですっかり旅気分。

京都では、本日は仁和寺の宿坊に泊まる予定。
うまくいけば御室の遅桜が見られ、翌日6時からは国宝のお堂で
朝のお勤め計画。

ついてみたら、仁和寺の御室桜「満開」
やほー拍手 たーまーや~

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宿坊とはいえ、旅館レベルの施設充実ぶりで全然質素な感じはない。
国宝の本堂は、ここに泊まっているものだけにしか入れないという
スペシャル感がますます期待を高めます。明日は何が何でも早起きするぞ。

ただ、夜はごはんがついてないので、先斗町をのんびり歩いて
鉄板焼食べました。あの、狭いけど、情緒豊かな町並みが素敵。
鴨川の流れにそって、街をぶらぶらしながら
京都の春を満喫しました。そこにいる、ということをゆっくり味わうの。
ビールを掛け声とともにごくごく何本も飲む干すのじゃなくて
いいウィスキーをいい音楽をききながらチビチビなめるように。
歩みを緩めることで、見えてくる景色は
走っているときには、見えないものなのですね。

京都は、東京とは違った空気の流れがある。
旅の醍醐味は、その土地の違った空気の味をかみしめること。

門限11時。ちゃんと10時半には仁和寺着。
最後はしっかり時間内。

みなさんも機会があったらぜひ。
調べてみたらいろんな宿坊(お寺を巡礼するお坊さんが泊まるところ?)
があるみたいです。
精進料理がおいしいところとか、仁和寺みたいに国宝の本堂でお勤めができたり、
写経やら座禅が組めたり。こういう体験系私、かなり好き。

http://syukubo.com/spot/05kinki/kyotoshi006.html

部屋が男女別のところがある、と聞いたけど、普通に一緒でした。
おふとんが離れて敷いてありましたから、
お寺に敬意を表して、離れて寝ました。笑

「仏教では、煩悩を断ち切らないといけないのだよ」
そんな話を適当にしてみる、即席坊主な私。

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at 23:42|PermalinkComments(1) 旅の記録 

2006年04月19日

隠れ家旅館に行ってみる

ということで、ホリデー東京篇閉幕。
本日は箱根へ。

前日夜に、スーダンの古傷が疼き、
なんとまた右足が腫れてきた。
しょうがないので、行く前に立川南口クリニックで
傷口照会。

医者「あちゃーこれは全部開けて中の膿みださないとだめだねぇ」

ピンセットみたいなもので、傷口をぐりぐりやるんだけど、
めっちゃ痛!すごい痛!とにかく痛!
身を切り裂く痛さなんですよ、ほんとに。

全部開けて消毒するのが直りが一番早いらしいんだけれど
この痛みにとても耐えられそうもないので
傷口をちょっとやぶって、表面を消毒して様子をみてもらうようにした。
実はちょっと「自分に負けたな」と思ったんだけど、
精神論は卒業、単なる痛いのはイヤなだけとも言う。

ということで、傷口を消毒してガーゼをはってもらう。
ついでに、破傷風の注射もしてもらい、抗生物質を一週間分。
はっきりしていていい先生だったけど

「あーアルコールは傷の治りを妨げますからダメですよ、
今日はお風呂はやめてくださいね。ぬらしちゃだめです」

がーん困った 今日、箱根の温泉に行くのに・・・


ま、何はともあれ、小田急線に乗って一路箱根の途。
あの箱根湯本からの登山電車、なかなか趣があっていいねぇ。
ゴトンゴトン、と深い緑の中を進んでいくの。
ゆっくりゆっくり。
向かいの席で、ゆっくりお茶でもすすりたい感じ。
空気がひんやりしていて、旅に出たなーっていう開放感いっぱい。
私の人生旅だらけですが、やっぱり箱根ほど
「旅に出た」感を盛り上げてくれるところもないでしょう。
なんかしっぽり、なんかしっとり。
清涼な非日常感。マイナスイオンいっぱい。わー拍手

どこで見つけたか忘れちゃったんだけど、
「隠れ家旅館」の堂ヶ島温泉、対星館。
なんか怪しい宗教法人みたいな名前だけどすごくよかった!
ロケーションが最高。登山鉄道の宮ノ下から、さらに、
旅館専用のケーブルカーを使って、山奥に下っていくの。
しずしずと。

ケーブルカーを降りるとそこは、川のせせらぎが耳に心地よい異空間。
山に囲まれ、川が流れ、ぼんやりと明かりが点る旅館の風情。
これを「オツ!」といわずしてなんという。
英語に訳すとなんだ?「Great!」か。風情がないな。
フランス語だと「トレビアーンでしょ」といったら
あっさり発音を却下される。発音なんかどうでもいいやい

http://www.taiseikan.co.jp/

泊まった部屋は小さかったけれど、松本清張が実際泊まって
この旅館をモデルにミステリーを書き上げたという部屋。
古いけれど、丁寧に手入れがしてあり、
窓から聞こえる川の流れも、山のたたずまいも最高。
温泉も、たっぷりのかけ流しで、肌もつるつるぴかぴか。

あれーやっぱり温泉はいっちゃった?
ってここまで来て、温泉入らなかったらウソでしょう。
右足をビニール袋でぐるぐる巻きにして足をあげてはいりました・・
川のせせらぎを聞きながら、澄んだ夜空の下で
あったか~い温泉に浸かる、日本人でいてよかったー。極楽~。

初日のカプセルホテルの浴場ですっかり大浴場がお気に入りになった彼。
部屋に戻ったら、イビキかいて寝てました。ゆかたのあわせが逆なのがご愛嬌。

外国にいろいろ行くのもいいけれど、
日本にも素敵な場所がまだまだいっぱいありますね。開拓しなければ!



at 23:11|PermalinkComments(1) 衣食住 

2006年04月18日

にんにく風味

休日の合間に広報活動。
日本のNGOがこれから南スーダンの活動を広げていくということで
本日はAAR(難民を助ける会)の代表とスタッフと情報交換。
1時間のミーティングが終わったら、出口でばったり
2ヶ月前にスーダンのエチオピア料理やで会ったADRAのSくん達にばったり。
ほんと、この業界狭いわー。悪いことできへんわー。(しないけど)

さて、それから、中学高校の同級生の建築家のS君の4年間の報告会を
見てきた。彼は中学時代からルックスも頭もよくいわゆる「人気者」だったが、
高校であさっての方向に開花し、ヘンテコで優秀で面白く努力家という
かなりつぼなお人柄を確立。スキンヘッドにしたかと思うと
ユザワや(手芸や)で目撃され、手作りの黄色の自転車に乗ってたりして、
常に気になる存在であった。
しかも、おんなじ水泳部だったし。芸大で建築科を出て、
一級建築士をとり、昨年結婚までして、先を行く彼はかなりまぶしい感じ。
こういう頑張ってる友達が近くにいると、なにくそって思うねー。
勝手にライバル視。フィールドかぶんないけど。

さて、報告会と私の広報活動の合間に
先日購入した一眼レフカメラで街を激写するカメラ小僧一人あり。(うちの相方)
彼が気に入るのが、高幡不動のお地蔵さんだったり、
都心の合間にひっそりとたたずむお墓だったり、
皇居で桜の横で集団でとる写真をとる日本人だったり、アーティスト
なラインアップ(身内びいきですか?)
私の写真も、私が「にまっ」と笑っているのは
「FAKE」(うそっぽい)といってすぐ消去されてしまう。
代わりに、「ヘイ」と呼ばれて無防備に振り返ったときとか
チケットを買うときに路線図を顔しかめてるときとか
どうでもいいときばかり撮る。
昨日覚えた「美人」が「びんじ」になってるし。
ってか、私の写真、ぜんぜん「びんじ」じゃないし、ヘンなのばっか。
それがナチュラルでいいんだって。それってのろけですか。否!

今日は実家で父母とごはん。餃子食べました。うまー。
なんか、ちょっと日本に住んで、こんな日常を送ってみたいかも
と思ってしまった。すんごい現実的なはずなのに、非現実な幻想。

キスが「にんにく味」と言われました。がーん。
ってか、君もそうだから。
先に言われたので負け犬の遠吠え感が強い。
勝ち負けではありませんが。
ちなみにうちの家の餃子はにんにくを使わないので
それは「にら」なのです。(どうでもいいか)

at 23:50|PermalinkComments(1) 衣食住 

2006年04月17日

今昔物語

月曜日は母校に行ってきた。
卒業してからもう8年も経つと大学も自分のなじんだ匂いが消えている。
なんか、学生みんなこぎれいだし、ビルもガラス張りになっちゃって、
あのなんか雑然としていた青春の一ページの屈折した悲壮感がない、
ってそんなもの学生時代もなかったか。混沌とはしてたけどカラッと晴れてたな。
なんとなくかっこつけてみたかっただけ?イヒ。
汚くて臭かくて暗かった部室棟なんかもうとっくにないし。
誰か必ず知ってる人がウダウダしていた居心地良かった学部棟3階も
知らない顔ばかりである。

それでもお世話になった大学職員の人たちがいろいろ出てきてくれて、
探検部の同期がもう中堅どころの職員になってたりして
そんな懐かしい青春時代の残照(←これって失礼?)。
変わり行くものの中に変わらない温かさを見つけてほっとしたりする。

さて彼氏連れで母校に来るってのは、彼曰く
「僕、おまけみたいだよね」で、まぁその通りなんだけれど
まぁなんていうの、ハナッカラ縄張り外の銀座とか表参道とか気取って
ウィンドウショッピングするより
私の青春時代の舞台にご招待したいのだ。
「過去はとうの昔に忘れたわ」というには、
私には素敵なしがらみがいっぱいありすぎる。
本当は高尾山に登る予定だったんだけど、
前日自宅でのんびりしすぎて寝坊してしまった。

大学では校内誌のインタビューを学生記者さんに受けて
元記者のご意見番の人の核心をつく質問(別名:答えやすい質問)が
いろいろあってノリノリで(←死語)いっぱいしゃべっちゃった。
いろいろ次世代に伝えたいメッセージがあるわけなんですよ。
メッセージというか、聞いて欲しい面白い事件が結構あるネタ人生万歳。
笑ってもらってなんぼ、って芸人かい、私。

一年先輩で特別講師として活躍中のMちゃんに促されて
うちの学部生の10年ほど下の後輩!にも30分ほど語らせていただく。
なんかまぁどう思われたかはわからんけれどとても真剣にきいてもらって、
ノートまでとってる学生さんがいて
まぁ自分の通ってきた道に歩み始めた若い子達に
なにか起爆剤になるような話ができたとしたら望外の喜び。
まぁ本音は「こんなおかしな人ができるんだったら、自分もできるか」
とでも思ってもらえたら本望。
たった10年前の私を考えて、
人間って10年というスパンではいろいろできちゃうものじゃないか!
ということ。自分のやりたいことをきちんと見据えていれば
多少道がぶれても、次にちゃんとつながっていくということ。
わけのわからん自分探しじゃなくて、自分構築をせよ!ということ。
そこを伝えたかった。

となりでMちゃんがすごい勢いで英語でうちの相方に訳してて
自分でしゃべりながら、「すっげー勢いでしゃべってるなぁ私」と思ったり。

本を読んで、映画を見て、旅に出て
人の話を聞いて、違った人生観に触れることがあったり、
ちょっと考えさせられたりすることがある。
未完成の時期の成長するタマシイには、スポンジに水がしみこむように
いろんなものが吸い込まれていく。
いきなり悟ったりはしないけれど、今の時代に積み重ねた
小さな刺激が後で大きな花を咲かせるのだ。

と、さて、それから大学時代の文章講座の恩師に会いに行く。
奥さんも一緒に、おいしいお寿司を食べに行く。
私の舞台を見に来てくれたり、ロンドンにクリスマスプレゼント贈ってくれたり、
寿司やらなべやらごちそうしてくれたり
卒業して8年以上になるけれど、今もたいへんお世話になっている。
そんな恩師に彼を会わせるのは
まるで父親に彼を紹介するようなもので、
実はそういうことに全く干渉をしないうちの父より
視点の鋭い恩師に彼を紹介する方が緊張したとですよ。
メールで「彼連れってもいいですかね?」と聞いたら
反応が「なに~~~!!」だもんね笑

何はともあれ、いつ行ってもおいしい「寿司政」
人生の積み重ねが笑顔からまろやかにしみだす大将のすばらしい笑顔と
最高の寿司ネタ。そして、鋭くも深い恩師節、変わらないさわやかな奥さんと
楽しいヒトトキ。
○○やった。こんなこと思った。
小学生の絵日記と違うのは、色がただの原色じゃなくて
ただの一面的な感想じゃなくて
まじりあった味のある絵が静かに大きく展開していくこと。
喜びとか笑いとか興奮とか、五感の機能自体は昔も今も変わらないけれど
一点の感情が、過去にもワープすれば、未来にも多面的につながっていく。
可能性が昔より格段に広がった。
自分の力でいろんなことができるようになった。
大切な人が隣にいるようになった。
大人っていいじゃないかと思うのはこんなとき。

おうちでコーヒーまでごちそうになり、
東洋美人の一升瓶とレミーマンタンのおみやげまで
頂いてしまい、立川まで二人ともおおはしゃぎで帰る。
途中の中央線間違えて乗ったら友達にばったり。すごい。冴えてる。

初めて来る日本でいきなり、私の過去に振り回される彼はお気の毒?
ま、おしゃれなデートスポットをゆっくり回るには1週間は短すぎる。
「そうそう」と「そうかそうか」をうまく使いわけられるようになった割に
「アキハバラ」と「タマガワジョウスイ」が限りなくフランス語なまりの
彼の日本語に大笑いしながら夜は更けていく。

過去と現在と未来。
過去に時に戻り、
現在を生き、
未来を想像する。

私たちの生活は決してデジタルで一直線に一目散に進んでいくものではない。
ゆっくりと旋回しながら、時に反復しながら、今と昔とこれからを攪拌して
少しずつ進化していくものなのだ。

at 23:46|PermalinkComments(0) ワタクシゴト 

2006年04月16日

妹の晴舞台裏

お約束と思いつつも、親への手紙を読むところで姉号泣。

私、あれダメなんだよねー。友達の結婚式でも親への手紙は
涙なくして聞けないの。

育ててくれてありがとう

感慨深い「ありがとう」ではないですか。
これからも、よろしく頼むけれど、
今まで両親が育ててくれたから
私はここまでこれました。
謙虚に、でも心をこめた響く一言にこめられた○年分の重み。

親がいなかったら、今ここにいないのだもの。
怒られて、いっぱい笑って
いろんなこと教えられて、いろんなことやってもらった。
無償の愛、そんな陳腐な言葉すらぴったりしてしまう
晴れ舞台のクライマックス。

私の後をずっとついてきたあどけなかった妹が
今日は随分と大人に見えた。
ドレスもかわいかったし、新郎の緊張ぶりも合わせて
見ていてとてもほほえましかった二人。

当の親は気丈に振舞っていたのだけれど
新郎の父が手紙を聞いて涙してた。もらい泣き。
普段汗で出している水分が目から出てくるよ。

瑠璃色の空をバックにした都心が目下に広がるホテルも素敵だったけれど、
何より妹がすごくきれいだった。みんなに「お人形さんみたい」と言われていた。
でもって、「お姉さんとそっくりですねぇ」と何人もにいわれたのが自慢。(←実話)
ってか自慢してどうする行き遅れた姉。
私は、といえば、ヘアメイクさん推奨の「個性的なお姉さんにぴったりな」髪型が
個性的すぎたのに
「どうですか?」と聞かれて
「なかなかいいですね」とか言っちゃってる弱気な人。
(こんなぐちゃぐちゃなのがナウなのか!?)←心の声
動揺のあまり死語まで持ち出して、でも一番クールなものを
演出してくれそうなお人に、適切な言葉で指示ができないワタシ。嗚呼。
ブログだといえるのに、現実に生身の人間に「ダメだし」ができないなんて
まるでいけてない現代人じゃないか。
もっと「さゆり」のチャンツィーのようにしたかったのに
るんるんなキャンディキャンディみたいになってしまい、
本人としてはかなり不本意なのだが、
あれよあれよという間に進んでしまい、
いまさら、
「キャンディキャンディではなく、チャンツィーにしてください」
とは言えなかった・・・ごーん。

さて、本日の裏イベント彼氏日本デビュー。
親に初めて会わせるのが、いきなり「結婚式での親戚紹介」というのは
フライングも甚だしいが、これは「たまたま」で仕組んだわけではない。
しかし、結婚すると決めてるわけでもないのに親戚のみなさまには
「まーみおちゃんもお相手が決まって!」と嬉しそうに言われてしまう。
なぜか嬉しそうな相方、親族写真の真ん中にニコニコ納まっている。
まぁいいか。

いい一日でした。
おいしいシャンパンが飲めてごはんが食べられて、
初初しい二人が見られて、親も嬉しそうで、
葬式ぐらいでしか顔を会わせることがない親戚一同に会えて
久しぶりに彼と一緒にいられて、こんなにめでたい席で
何もいうことはありません。

あ、一言あった。キャンディキャンディよりチャンツィーにしてほ・・(以下略)





at 23:38|PermalinkComments(3) ワタクシゴト