2004年07月

2004年07月31日

料理の上手い危険な男

7時になって電話がかかってくる。夜ご飯のお誘いだが、もうシャワーも浴びて、部屋着でゴロゴロしている状態から、まともに着替えて化粧して・・・というのは正直めんどうくさい。かといって自分ひとりはどうにでもなっても人を呼ぶほど、材料のストックがあるわけでもない。といったら、「じゃあ僕が作るから」ということで、山のようなビニール袋を抱えて登場したJ氏。ずっと宝石商だと思ってたのだが、話をしているとどうやら違うらしい。「マンパワー」という言葉がよく出てくるのだけれど、話を聞けば聞くほど、こいつはいわゆる蛇頭じゃないか?という疑惑がもたげてくる。だって、「僕の乗客(彼はpassengerという単語を使ったんだけど)にビザとって、国に送り込むまでUSドルで3000かかる」とかイミグレも税関も、麻薬調査官も全部僕のフレンドだよ、ジョニ黒送っておけば、ノープロブレム」ってそれって汚職じゃん。
チキン骨付きを上手に肉と骨にわけて、スープと野菜炒めを作るさまはなかなか手馴れたもの。ジョニ黒(個人的には赤じゃないところがなるほどなぁと関心してしまったり←している場合ではない)にロックアイスを浮かべたものを片手に、ピーナッツとねぎのマリネとソーセージをちゃっちゃっとおつまみに。「家の仕事は好きなんだよね」というこの発言、好感度大。タバコは吸うし、酒も飲むし(一晩でウィスキー一本ペース)、けんか早いし、ギャンブルはするし、女の扱いも慣れてるし、あーこういう人にはまるとたいへんだ、という典型的な例。ところが彼は彼曰く、「よいムスリム」なんだそうだ。(お酒飲むのに、けんかするのに、ギャンブルもするのに、ここの矛盾を突きたかったが、どうやらそういう俗っぽい低いレベルでの実践でなく精神の傾倒をいうらしい。詭弁だな、とは思うけど特に反論する言葉をもたず。宗教はできれば議論は避けたほうがいいし)次回来るときはコーランの英語版をおみやげにもってくるよと言って帰ってったけど、本気らしい。こういうギャップ嫌いじゃないけど、自分の中で非常警報のサイレンがグルグルまわっている。今週のとある星占い“あなたには、トラブルが起こることを承知の上で何かにのめりこむ傾向もあります。”危ないな、気をつけよう。

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2004年07月30日

困る質問シリーズ

バティカロアWFPのローカルオフィサーで、私の2つ上の勉強熱心ななかなか素敵な男性がいる。大学で文化人類学を専攻し、宗教にはそれぞれ意味があるが故、自分はどこの宗教にも属さないのだというタミル人には珍しい覚醒の仕方をし、の割に統一教会(懐かしい・・あの統一教会ですよ)にスカウトされて、「君は信じなくてもいいから信者を増やすのを手伝ってくれ」と言われて1年間統一教会で働いたという異色の経歴をもつ彼。空手を5年間やっていたこともあり、文化的なことにすごく興味があるので、彼の質問は切り口が特殊でいつも難しい。車の中で質疑応答をしていると盛り上がってきて、時間がたつのがあっという間だが、一日が終わるとどっと疲れる。わからないならわからないで日本人として別に罪悪感を感じるような類の疑問ではないのだが、一種の禅問答じゃないけれど、「試合」のような空気すら漂う。曰く:
第二次世界大戦の時、アメリカが原子爆弾を落とさなかったら、今頃アジアでは日本語をしゃべれるようになっていたか?
相撲力士はなぜ“太る”必要があるのか。見世物小屋みたいなキワモノ観察の趣味が日本人にあるのか?
茶道には、どういう意味があるのか?
正座をすると消化によいと聞いたが本当か?日本人がわざわざ食べるときにあのように不自然な姿勢で食べるのはそれをわかってのことか(座卓のことですな)
水治療といって一日の初めに1.5リットルの水を飲むのは日本の習慣か?
仏教、禅と儒教と道教の違いは何か?

いろんなところでいろんな本を読んでいるみたいで、「日本人は生の魚を食べるのか?」みたいな答えやすい初級の質問がない。茶道の説明とか儒教と道教の違い、なんて日本語でしろっていってもできないよー。相撲力士はあんな太って効率が悪いだろう、ってごもっともだが、伝統は必ずしも効率を目指すものではないし、無駄の中に「粋」があるのだろう・・・となんとなくもっともらしく頭でこねくりまわすが、それを「でぶになって戦う」行為に結びつけるのは難しい、しかもそれを見世物小屋とつなげられても。なんかすごく頭のよい知識欲旺盛な男性だわーとちょっぴり尊敬の念をもってみたが、彼と彼の奥さんと私で海岸に行ったとき、クラゲがうようよしていて、「クラゲからゼリーは作るんだよ」と得意げに言っている彼をみて、尊敬の念を撤回してみた。あはは。「ゼリーはゼラチンだから確か豚の骨とかそういうのからとるんだよ」っていったけど、「だってゼリーフィッシュっていうじゃん」と強硬に対抗の構え。だから、ゼリーみたいだから、ゼリーフィッシュ、やじるしが逆なんだってば。ふむふむと。そして、ここでハタと次の質問「くらげってどうやって繁殖するのだろう?細胞分裂?」

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2004年07月29日

仕事か家族か

バティカロアみたいな場所だとまだ観光客は少ないので、ホテルで一緒になる外国人はだいたいが同業者である。一人でぽつんといるような人はだいたい関係者だから話してみて面白いつながりができることが結構多い。今回はオーストラリア外務省から出張に来ている南アジア担当の女性と一緒になった。見たところ、私より若干上かなと思われる金髪のさわやかなきれいな女性である。オーストラリアはWFPのドーナーでもあるので、話しをしていて今日一緒に学校視察の時に着いてくることになった。やっていることがかぶっているので話をしていて進むのが早い。もちろん、バックパッカーの宿で一緒になったみたいになんでもかんでもしょっぱなから洗いざらい話すってわけにはいかないが、それでも似たような業界に足を突っ込んでいるもののちょっとした泥臭い仲間意識みたいなものが、会話を進ませるってことはよくあるのだ。
学校で並んで歩いていてふと彼女が「妊娠中だから水たくさん飲まないといけないのだけれど、フィールド出るとトイレがなかなかなかったりするからたいへんなのよねぇ」とふともらした。一見してまだ全然妊娠中には見えないが、それでもオーストラリアから単身出張を妊娠4ヶ月でこなすとは、働くママあっぱれ!である。こういう業界は、結婚も出産も、キャリアデベロップメントと同じかそれ以上に大問題であるので、こういう女性を見ると、あー私も頑張んないとなぁってちょっと嬉しくなるのだ。何も仕事か?家族か?で二者択一で悩む必要はないのだ、もちろんそれなりの障害も課題もあるが、現実こうやってキャリアと家族をスマートに両立している女性を一歩先に見ると、私の将来もそんな真っ暗じゃないじゃん♪と人のことながら自分もエネルギーをもらうのである。
たまたま夜電話がかかってきたコロンボの友達にこの話をしたら、「いい仕事をしていれば、理解がある人がついてくるもんだよ。君の夫も喜んで仕事を手伝うだろうね、“いい妥協”(nice compromise)が必要だよ」って。決して理想に走りすぎることなく、二人で向き合う、よい妥協。こういう一言、心にすーっと入りますねぇ。まわりに頑張ろうとする人がいて、理解してくれる人がいて、私もきちんと一歩ずつ先に進んでいければいいなと思う夏の夜。

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2004年07月28日

いざ出陣!

本日はこれから土曜日までフィールドです。
今回もまたバティカロア(東部)、LTTEの内部分裂が起きてから若干ごたごたして、街に銃をもった軍人がいたりしますが、きれいなラグーンがあって、人も温かい(笑顔がね、とてもいいんですよ、こっちの人)ので気に入ってます。今回はセキュリティー強化地区に入るので手続きがいろいろありますが、かなり奥の学校まで行って、現状視察+学校関係者とミーティングするのが楽しみ。
スリランカに来てから結構何度も学校に足を運んでますが、言葉がわからなくても新しい見なれないものに対してまっすぐな好奇心を向けてくる子供たちがたくさんいます。興奮があふれ出てくるかのように大きな目でわーっとかけよってくる様、あー私たちはこの子達のためにもいい社会を作らないとな、ってちょっと大人の責任に目覚める瞬間。
私もまだまだ子供だけど、少しずつ、何かやろうと思ったことを形に変えられるポジションについてきている。そういう意味ではもう子供じゃないけど、まだ現実の壁にぶちあたった疲れた大人にもなってない。今のこの時間を大切に使おうと思ってます。本当にいい時期、いい時代にいるんだもの。自分一人のやれることは限界があるし、世の中は狂ってるし、なんて現実的、ニヒル、厭世的にならず、何がやれるか、何をしたいか考えてそして行動していきたい。狂ってない部分もまだまだたくさんあるし。やれることもまだたくさんあるし。では、いってきまーす!

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2004年07月27日

いけてない日常からの脱出方法

もともと夜型だし、快楽主義者なので生活がダラダラしやすい。人付き合いがよいとか好奇心が旺盛であるという長所も、落ち着きがない、気が散りやすいという短所も、瞬発力と持続力も私のもともとある体質が全て、生活がダラダラするのに一役買っている。あーやばいなぁと思いながらなんとなく闇を断ち切れないでいるのに有効な特効薬を本日は公開。私はいつも生活が闇に落ちてくるとこの方法で這い上がる。人と会うことを言い訳にしたくないのだけれど、自分にちゃんと向き合う時間がないとどうしても楽しいことだけが優先されてしまうので、細切れの時間で自分と向き合うのがポイント。仕事中はもちろん仕事するけれど、人間の成功って仕事以外の時間をどうマネージメントするかっていうのが、とっても重要そうじゃない?
方法としては、簡単にいうと生活のログをつけるのです。私は雛形がコンピューターに入ってて「いかん、これはダラダラ闇にまっしぐらだ」と思ったらプリントアウトして2週間分、生活のログをつけてます。タイムリーにつけてると、自分がいかにいけてない生活をしているか記録されているのでリアルタイムで修正ができる。ちなみに私の生活ログの項目は(エクセルで作成)?就寝時間?起床時間?睡眠時間計?体の観察記録?水を一リットル飲んだかどうか?読書時間?シンハラ語勉強時間?朝ご飯食べたもの?昼ご飯食べたもの?夜食べたもの?間食?運動の詳細?日記をつけたかどうか?総合評価?明日への課題
これがはまるとつけるのが面白い。週に何回外食したかとか何食べたかとか読書時間とかまとめて眺めてみると、意外に人間が一週間で成し遂げてことって少ないもんなんだなぁってわかりますよ。逆に何かを日々コツコツ1時間やってれば1年で365時間ですからね、これってすごい投資。よりよい生活を目指す、というより最近どうしてもダラダラするなぁという人に、生活ログをお薦めしましょう。ちなみにこれ見るとみんなあきれるんだけど、あとでこっそりちょうだいって言ってくる人結構いるんですよ。あはは。
あと最近本で読んだのだけれど、人生大きな成功をしている人って断然朝型が多いんですって。こういうの聞くと俄然やる気になる私。うん、朝型っていうのはたいへんだけど、挑戦する価値ありそうです。

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2004年07月26日

ウィルス一掃作戦

栄養もたっぷり摂れてるし、日曜日もしっかり休んだのに風邪をひいた模様。鼻が止まらない。喉が枯れるように痛い。韓国料理でも食べて力つけようかと思ったのだけれど、財布を忘れてきていたので、今日も国連食堂。一緒に働いている人たちが入れ替わり立ち代わりオフィスに来て、めいめいの風邪の対処法を伝授してくれる。
食欲とやる気はあるので、あとは体からウィルスを締め出すだけである。隣室のオフィサーのアドバイスによるお湯の大量摂取。お湯を大量に飲んでウィルスを溺死させる、というのが今のところ有効のようである。帰ったらアラック(ココナッツのお酒)にライムいれて、火にかけてアルコール分を飛ばして砂糖をいれる、というのをやってみよう。これで溺れ損ねたウィルスをアルコールづけにして機能不全にする。水曜日からまたフィールドなのでそれまでに体調を万全にしておかないといけない。

追記:体だるーかったけどヨガにいやいやいってみた。終わってみてビックリ。体が軽い。呼吸とか体内バランスとかあなどってはいけませんなぁ。夕食はニガウリ(まだ残ってる)、セロリ、にんじん、にんにくをたくさん刻んでみそおじやにしました。夜は更に30分瞑想。栄養と瞑想、これで荒れた体がかなりもとに戻ります。

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2004年07月25日

悠久の時の流れ

3時にコーヒー飲もうよ、って約束した。家に迎えにくるっていったのに、全く音沙汰なし、携帯かけても電源切れてるし、すっぽかしかい、と思いつつも別に害はないので家でのんびり過ごす。こっちに来て、かなり何度もすっぽかしを食らっている。同じ人じゃなくて違う人、違うシチュエーション、約束したのに現れない。時間だけ予約しといて「場所はあとで連絡するね」といって連絡がない、など。あとでどうもしょうもない言い訳をされるのが妙に腹立たしい。ダメになったらダメになったできちんとフォローアップするのが筋、ってもんじゃないか?と思うけど、この筋ってのは別に世界共通のものではないらしい。
夜の11時半になっていきなり電話があり「買い物とジム行ってて忙しかった(←言い訳にすらなってないぞ)これから行っていい?」って11時半に何する気さーと聞いたら、一週間が始まる前に君に会いたいと思ってさ、といけしゃあしゃあと言うあなた。ってか、3時が11時って8時間の時差があるんですけど。今週はもうずっと忙しくて会えそうにないから1時間だけって、すごくもっともらしくて、実はこっちの事情を全く考えていない。会いたくないわけじゃないけど、都合のいい女と思われるのは嫌なので断る。絶対こっちの女の子にはこういうことやらないのに外人で一人暮らしだから平気だろう、というのはなめている。電話を切ってからなんか急に腹がたってきた。ホットカルピスを飲んで寝る。

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2004年07月24日

バックパックの重さ

友達が来た。正確にいうと高校の同級生の妹なんだけれど、5年働いた会社をやめて念願の世界一周の最中。大きなバックパックをしょってニコニコと現れた。前に日本で会ったときの印象とかわらないかわいいお嬢さん然とした彼女であるが、バックパックを持ってちょっとたじろいだ。重いのだ。これを背負って世界を回るのか、私も一時期はどでかいバックパックを背負って中米へ、インドへ、アフリカへといったものだがその日は遠くなりにけり、である。彼女の各国でのいろんな話を聞きながら、なんか学校のまわりを走る部活動の高校生をながめるようななつかしい、ちょっぴりせつない気分になった。失われたというより過ぎ去った過去の残影がすーっと脳裏をよぎる。バックパックの重さ、見慣れない食べ物、いろんな場所で交差した友人たち。今も多くの若者をひきつけてたくさんの進行形のドラマが世界の各所で生まれているんだなぁと思うとまだ過去の産物にしてしまうには強烈すぎる自分の中の記憶のストックがざわざわと動き出す。
もし私はバックパックを背負って長期の旅にでることがあれば、それは何か具体的なテーマをもった旅になるだろう。今の私は自分のまわりのものをバックパック一つに凝縮して新しい世界に引き出しを全開にして飛び出るには、足元が少し重すぎる。社会に出て少しずつ根をはり、人間関係や仕事でとどまって何かを育てる愉しさを知ってしまったということもある。ふいにすっと外に出たときに、自分の最低限をつめこんだバックパックをひょいとあげられる基礎体力と瞬発力はなくしてはだめだなと思った今日。最近お気に入りのラクパハナ(スリランカの工芸品を売る店)、ハウスオブファッションで買い物にいったあとは、ゴールフェイスで新鮮なシーフードとワインで終わらないおしゃべりを楽しむ。9時半に友達が迎えに来て一緒にコロンボスイミングクラブでライブバンド。帰宅3時半。彼女出発5時半。大人になったことを存分に楽しんだつかのまの再会であった。9月に今度はローマで会えそうな予感。

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2004年07月23日

おいしい生活

食糧計画、なんていう機関で働いているので、鉄分は子供の成長に不可欠でーとかビタミンBはこういう働きをしてーとか妊娠中の母親の栄養についてはーという「知識」を吸収する機会は多い。さて、それが直接自分の食生活向上に結びつくか、というとそれは全くの別問題。

一人暮らしだとどうしても野菜がね。一回キャベツ買うと今日もキャベツ明日もキャベツ3日も4日もシリーズキャベツで。スパゲティに入れたり、スープにしたり、炒めたり、目先を変えてごまかしているが、キャベツはもういいや。となったところではい、次の週にがうり、ゴーヤチャンプルー、ニガウリのいためもの、カレーにいれてみたり、オムレツにしてみたり、わー。ニガウリ以外のモノが食べたくなる。今週はそんなキャベツ&ニガウリウィーク。自炊してると、どうしても「無駄を出さない」食生活がテーマとして最優先になるので栄養かつグルメな部分を追求するのはどうしても外食である。外食も行く人によって金銭面、宗教面、地理面(あんまり遠いといけない、とか)制約が出てくるので、質のよい食生活が必ずしも体現できてるとはいえませんなぁ。最近ムスリムの友達(例の若手ではなく)とつるむことが多いけど、決まったレストランでしか食べないし。

お昼もオルガ(コンサルのロシア人)がいた時は週2で中華や韓国料理、クリケットクラブでローテションをくんでいろいろまわれたのだが、今は外国人スタッフは家族もちで昼間は家に帰っているので、必然よその機関の外国人か、もしくはあっとうてきに国連食堂でローカルのスタッフと食べる、ということになる。ローカルと外食、という選択肢もあるが、今私のお昼仲間は5人いて、一緒にいくと全部私がおごることになるので、(そういうもんなんですねー)そうちょくちょくは行けないんですねー。

今週はそんなんでずっと国連食堂で食べていたのだけれど、今日はUNFPAやUNDPのスタッフと外にサンドイッチ食べに行きました。ひさびさのカレー以外の味:おいしー。好きだけどカレーだけで一週間を終わらせられる、というのはちょっぴりきつい。これから金曜日なので、ユニセフのCさん(←最近仲良し)と日本食で栄養補給して参ります。明日もワークショップなので、仕事だー。

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2004年07月22日

小さな命の終わり

スリが天国に行った。友達のネコだったのだけれど二人で一緒に見に行って、もらってきたときは本当に片手でひょいともちあげられるガリガリのネコだった。すばしっこくてわんぱくで甘えんぼで、夜になると腕の肉をちゅうちゅうとお母さんのおっぱいのように吸っていたスリ。ロズウェルに似てるよねーと友達と大笑いしたとがった耳と吸い込まれるような大きな目。ソファーからソファーへ忍者のようにジャンプするたぐいまれなる運動神経。そのまま窓から飛んでしまった最期でした。まっしろい体に茶色のぶちが二点、本当に愛らしいネコだった。命があるものには終わりがあるのだけれど、5ヶ月ってのは短すぎませんか?神様。友達が「スリは幸せだったかな・・・」とつぶやくのを聞いてたまらなくせつなくなりました。生きるもの、残されるもの、運命というのが決まっているとは思わないけれど、時としてありえない展開を人生は運んできます。いくつもの出会いと別れを経たけれど、やっぱり別れはさみしいです。さよならだけが人生さ?そんなことはありません。スリはいつまでも私の心の中で生き続けるでしょう。安やかにね、スリ。

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